1995 Fiscal Year Annual Research Report
マウス膵島cDNA libraryのスクリーニングによる膵島自己抗原の検討
Project/Area Number |
07671166
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山田 研太郎 久留米大学, 医学部, 助教授 (10191305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 秀樹 久留米大学, 医学部, 助手 (50238119)
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Keywords | 1型糖尿病 / NODマウス / 膵島自己抗原 / クロモグラニンA |
Research Abstract |
NODマウスのλgt11 cDNAライブラリーを10週令の雌NODマウスのプール血清で免疫スクリーニングすることにより、NODマウス血清と反応する6個のクローンが得られた。このうち正常マウス血清とは反応しない2個のクローンについて検討を行った。一方のクローン(C17)の挿入cDNAは約0.5kb,他方(C18)は約1.5kbであり,10週令の雌NODマウスの個々の血清を用いた検討では,それぞれに対する抗体の頻度はC17が80%,C18が10%であった。 λgt11に挿入されているcDNAをEcoR1プライマーを用いて増幅し,TAクローニング法によりpCRベクターにサブクローニングして,カラーセレクションを行った。得られたプラスミドを用いてをcDNAの塩基配列を決定した。GenBankのデータベースを検索したところ,C18の塩基配列はマウス・クロモグラニンAの596-1892に一致した。クロモグラニンAは膵島における存在が知られており,膵島炎に関与する自己抗原の1つと考えられる。C17の塩基配列では,poly (A)部分と46個のアミノ酸配列に相当するopenreading frameが確認されたが,翻訳開始部位を含んでおらず,さらに高分子のペプチドの断片であると考えられる。C17の塩基配列と高いホモロジーを示す既知の配列はデータベースに見いだせず,その本体は明らかではないが,C17のmRNAの発現はNorthern blotting法でマウス膵島だけでなくマウス脳組織においても認められた。 C17の全長を明らかにするため,プラスミドからEcoR1により切り出したC17をプローブとして用いてマウス膵島cDNAライブラリーをplaque hybridizationでスクリーニングした。現在までに得られたクローンの中でC17と一致する配列を有するものは0.7kbが最大であり,全長を含んでいないため,なおスクリーニングを継続中である。
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