1995 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ系腫瘍細胞におけるサイクリンEの脱制御とCDK阻害因子
Project/Area Number |
07671183
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高瀬 浩造 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90211333)
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Keywords | CDK inhibitor / cyclinE / NAD |
Research Abstract |
1.正常T細胞におけるCDK阻害因子の発現 PHA刺激によるヒト正常T細胞の増殖反応において,cdk2の活性化とcyclinEの発現が早期に観察され、これらもp21あるいはp27などのCDK阻害因子の制御下にあると予想されたが,Westernブロットによる検出方法では,これら阻害因子は有意に発現していなかった.すなわち,正常の増殖刺激では,これら阻害因子がG1期の通過を制御しているとは考えがたく,また腫瘍細胞に比較して正常細胞でのG1通過時間が長いことの説明もCDK阻害因子では説明が困難と考えられた. 2.腫瘍細胞でのcyclinE脱制御 DMSO処理により増殖を一時停止したRaji細胞では,増殖の停止にもかかわらずcyclinEが高値のままである.この状態ではこのほかにも,poly ADP-ribosylaseの基質であるNADの明らかな蓄積も認められた.このことは,CDK阻害因子がp53に関連したDNA修復と関わりがあると考えられる以上,poly ADP-ribosylaceが修復において重要な役割を果たしているため検討する必要があると判断した.同時に,同様に修復に深く関わっているDNA-PKについても検討中である.
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