1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671234
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
成清 卓二 群馬大学, 医学部, 教授 (50010369)
|
Keywords | 慢性腎炎 / Heymann腎炎 / 尿細管刷子縁抗原 / 免疫複合体腎炎 / ネフローゼ症候群 |
Research Abstract |
成人の難治性ネフローゼ症候群の原因疾患となっている慢性腎炎の発症機序を解明する目的で、実験モデルである、ラット・ハイマン腎炎について研究をすすめてきた。 病因抗原の存在するラット腎尿細管上皮刷子縁分画より、物理化学的手法によって、、病因抗原を分離し、さらに、これよりモノクローナル抗体を作成した。この抗体を用いて、アフィニティカラム法で病因抗原を更に精製して、分子量12万の病因抗原をえた。この抗原は、諸外国の諸家より報告されている病因抗原の中では、最も分子量が小さく、従って鈍化の進んだ抗原と考えられた。 この我々の精製した抗原を、正常ラットに注射すると、典型的な慢性腎炎を発症する。また、この抗原に対するモノクローナル抗体を用いて蛍光抗体法と、免疫電顕法で抗原の局在を検討すると、腎では尿細管上皮刷子縁にのみに存在し、諸家の発表した抗原のように、正常ラットの糸球体には局在しない。諸家の発表した抗原と、我々のえた抗原とを比較検討したところ、諸家の抗原分子上の一部分と、我々の抗原は一致した。すなわち、我々は、病因抗原のエピトープを含む部分を、効率よく分離していることを示し、一方、諸家の抗原分子は、腎炎と関係の無い抗原エピトープをも含有していることになる。目下、この抗原のアミノ酸排列を明らかにし、cDNAのクローニングを目標に研究をすすめている。 膜性腎炎の発症に関係する免疫複合体の糸球体基底膜への沈着様式については、循環複合体の沈着説と、基底膜in situ形成説と二つの見解に分かれている。我々の鈍化抗原を用いた検討では、基底膜in situ形成説は起こりえず、血中循環免疫複合体の沈着を支持する成績であった(業績1. MAEZAWAほか)。さらに発症機序の詳細について検討をすすめている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Akira MAEZAWA: "The kinetics of the pathogenic pronase-digested renal proximal tubular antigen and antibody in rat active Heymann nephritis." Nephron. 71. 448-453 (1995)
-
[Publications] Xia JIANG: "Increased intraplatelet and urinary transforming growth factor-beta in patients with multiple myeloma." Acta Haenatologica. 94. 1-6 (1995)
-
[Publications] L. L. Wan: "Effects posture on creatinine clearance and urinary protein excretion in patients with various renal diseases." Clinical Nephrology. 43. 312-317 (1995)