1995 Fiscal Year Annual Research Report
腎疾患における肝細胞増殖因子(HGF)の役割および治療薬としての可能性の研究
Project/Area Number |
07671235
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
張 漢佶 東京大学, 保健管理センター, 助手 (30260524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 哲夫 東京大学, 医学部(分), 助手 (70194834)
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Keywords | HGF(Hepatocyte Growth Faetor) / 慢性腎不全 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
当初の計画では平成7年度に1)HGF発現アデノウイルスベクターの作成と2)種々の慢性腎不全患者での血中HGF濃度の測定を予定していた。ほぼ予定通りの研究の進展が得られたので以下に報告する。HGF発現アデノウイルスベクターの作成は、HGFの薬理効果を実験動物モデルをもちいた系で検討する上で必須と考え第一番の優先とした。HGFのクローニングを行った大阪大学の中村敏一教授からcDNAクローンの供与をうけた。このクローンとアデノウイルスコスミドベクター(癌研の濱田洋文部長よりの供与)との組み替えを行い、得られたコスミドベクターとアデノウイルスベクターとの相同組み替えを行いHGF発現アデノウイルスベクターの作成に成功した。このアデノウイルスベクターをin vivoで感染させることにより、実験動物生体内でHGF遺伝子を過剰発現させることができ、HGFの薬理作用を検討することのできる系が確立できるものと期待される。現在このベクターの投与法、投与量の基礎的検討を実施しているところである。また、腎疾患患者におけるHGFの役割を検討する目的で、我々は血液透析を必要とする末期慢性腎不全患者で血中HGF濃度を測定し、正常者と較べて有意に上昇していることを報告した(Nephron 1994;67:497)。本年度はこの研究をさらに発展させ、種々の基礎疾患をもった(血液透析を必要としない)軽度慢性腎不全患者での血中HGF濃度の測定をおこない、これらの患者でも血中HGF濃度がすでに有意に上昇していることをみいだし、現在投稿中である。このことは、腎不全の初期からHGFが病態の進展になんらかのかかわりをもっていることを示唆し、興味深い。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Chang H stal,: "Highly efficient adenoviras-mediated gene trasfer・・・" Kidney International. 47. 322-326 (1995)
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[Publications] Chang H et al.: "Reliability of the maximum number of simultareonsly・・・" J Theov Biol. 173. 61-65 (1995)
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[Publications] Kitagawa H,Chang H,etal.: "Hypekalemia due to nafamostat meyslate" New England Journal of Medicine. 332. 332 (1995)