1996 Fiscal Year Annual Research Report
α5(IV)鎖遺伝子全エクソンの解析によるアルポート症候群の分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
07671249
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉川 徳茂 神戸大学, 医学部, 教授 (10158412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 一誠 神戸大学, 医学部, 助手 (00240854)
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Keywords | アルポート症候群 / 遺伝子 / IV型コラーゲンα5鎖 |
Research Abstract |
【背景】アルポート症候群の大部分はX連鎖型で、X染色体上に存在するIV型コラーゲンα5鎖遺伝子の変異により起こると考えられている。これまでゲノムDNAを用いたSSCP法にて遺伝子解析がされているが、変異の検出率は50%以下である。この低検出率の原因として、ゲノムDNAレベルでは検出困難な変異の存在とSSCP法の感度の低さが考えられる。 【目的】mRNAレベルでのダイレクトシークエンス法による遺伝子解析法を開発し、X連鎖型アルポート症候群の遺伝子診断法を確立する。 【対象・方法】糸球体・皮膚基底膜α5鎖蛋白の異常を認めたX連鎖型アルポート症候群22家系22例(男児13例、女児9例)を対象とし,末梢白血球からRNAを抽出しRT-PCR・ダイレクトシークエンス法によりIV型コラーゲンα5鎖全遺伝子を解析した。 【結果・考察】RT-PCR・ダイレクトシークエンス法によりIV型コラーゲンα5鎖mRNA全域の解析が可能であった。その結果、男児は13例全例(100%)、女児9例中7例(78%)で遺伝子変異がみつかり、全体の検出率は91%と極めて高率であった。変異の発見できなかった女児では、正常なRNAのみがPCRで増幅された可能性が考えられ、再検中である。 【結論】RT-PCR・ダイレクトシークエンス法によるRNAレベルでの遺伝子解析は、X連鎖型アルポート症候群の遺伝子診断法として高感度で実用的な方法である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kitagawa,K: "Mutation in α5(IV) Collagen chain gene in nonfamilial henaturia" J.Am.Soc.Nephrol.6. 264-268 (1995)
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[Publications] Nakanishi,K: "Expreession of type IV Collagen α3 and α4 chain mRNAs in X-linked Alport syndrome" J.Am.Soc.Nephrol.7. 938-945 (1996)
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[Publications] 吉川徳茂: "Alport症候群" medicina. 32. 2017-2019 (1995)
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[Publications] 吉川徳茂: "アルポート症候群" 病院病理. 14. 25-27 (1996)
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[Publications] 吉川徳茂: "遺伝性糸球体疾患" カレントテラピー. 15. 34-38 (1997)
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[Publications] 吉川徳茂: "腎疾患の分子医学" 黒川清, 166 (1996)