1996 Fiscal Year Annual Research Report
肺胞II型細胞におけるサーファクタント輸送機構の解明
Project/Area Number |
07671279
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
清水 浩 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90260843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 浩 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90271238)
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Keywords | 新生児呼吸障害 / 肺サーファクタント / 肺胞II型細胞 / 低分子量GTP結合蛋白質 |
Research Abstract |
肺サーファクタントは脂質蛋白質複合体であり,肺胞II型細胞の粗面小胞体で合成され,ラメラ封入体へ輸送・蓄積されると考えられている。ラメラ封入体のサーファクタントは,種々の分泌刺激に応じて肺細胞腔に分泌されて,気液界面において表面張力を低下させる。サーファクタントの主要リン脂質のホスファチジルコリンは,粗面小胞体で合成後,ゴルジ装置を経由せずラメラ封入体に輸送される。また主要サーファクタント蛋白質のSP-Aは,粗面小胞体で合成後,ゴルジ装置に輸送され,一旦分泌された後に再度取り込まれ,ラメラ封入体に集積する。サーファクタント成分の細胞内輸送には未解明の部分も多いが,脂質結合蛋白質や低分子量G蛋白質がその機構に関与していると考えられる。低分子量G蛋白質に属するrab蛋白質は,細胞内小器官と小胞に分布しており,細胞内輸送の調節に関与していると考えられている。肺胞II型細胞においてrab蛋白質を同定しその分布を明らかにすることができれば,サーファクタント輸送機構の解明につながる。平成8年度は,平成7年度に引き続き,rab蛋白質cDNAのスクリーニングおよびクローニング方法の検討を行った。平成7年度の結果をふまえて,スクリーニングはPCR法で行った。rab蛋白質には4か所のアミノ酸のコンセンサス配列部分があるが,このうちの2か所の配列を選択し,コンピューター解析を行ってセンスおよびアンチセンスの2本のdegenerateプライマーを設計作製した。次にこのプライマーを用いてPCRの反応条件を検討した。PCR産物の陽性コントロールとして,すでにクローニングされた肺胞II型細胞rab蛋白質cDNAを鋳型にして用いた。その結果PCRの感度には温度の設定が強い影響を及ぼすことがわかり,またホットスタート法によってPCRを行うことによってPCR産物を効率よく,しかも特異的に増幅できることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 清水浩.他: "新生児肺サーファクタントタンパク質B欠損症の遺伝子診断" 日本界面医学会雑誌. 28(印刷中). (1997)
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[Publications] 荒川浩.他: "サーファクタント蛋白質Aの肺胞膣から血中への移行:新生児呼吸窮迫症候群における検討" 日本界面医学会雑誌. 28(印刷中). (1997)
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[Publications] 板倉敬乃.他: "Acute respiratory distress syndrome(ARDS)における気道および血清SP-Aの検討" 日本界面医学会雑誌. 28(印刷中). (1997)
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[Publications] 清水浩.他: "サーファクタントタンパク質Bの遺伝子変異R236Cの診断法の確立" 日本未熟児新生児学会雑誌. 8.3. 165- (1996)
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[Publications] Kaneko K,etal: "Pulmonary surfactant protein A in sera in childhood" Am.J.Respir.Crit.Care.Med.153. A105- (1996)
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[Publications] 金子広司.他: "新生児における血中肺サーファクタントタンパク質AおよびDの検討" 日本界面医学会雑誌. 27. 169-170 (1996)