1996 Fiscal Year Annual Research Report
Rasのfarnesyl化阻害による新しい膵癌の治療法の研究
Project/Area Number |
07671290
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
浅野 武秀 千葉大学, 医学部, 講師 (80143311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯野 可一 千葉大学, 医学部, 教授 (70009489)
剣持 敬 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (50215133)
貝沼 修 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | Farnesyltransferase Inhibitor / Manumycin / 膵癌 / MAPK / Ras |
Research Abstract |
新たな膵癌治療法を開発する目的でFarnesyltransferase inhibitorであるManumycinの効果をヒト膵癌細胞株(SUIT-2,AsPC-1,MIA PaCa-2,BxPC-3)を用いて検討した。^3H-Thymidine uptakeによる検討では、K-ras codon12のpoint mutationの有無に関わらず濃度依存性に増殖は抑制されたが、50%抑制濃度は変異型細胞株に比べ野生型のBxPC-3が高かった。増殖刺激後のMAPKは変異型のSUIT-2の方が、BxPC-3より抑制された。また浸潤能もSUIT-2では10μMで抑制されたが、BxPC-3は同濃度では抑制されず30μMで抑制された。Manumycinによるapoptosisの誘導を検討すると、48時間培養でSUIT-2では100μMの高濃度でDNA ladderが検出されたが、これ以下の濃度およびBxPC-3では検出されなかった。さらにManumycinで処理したSUIT-2を1×10^6個ヌードマウスに移植したところ、皮下腫瘍、肝転移ともに濃度依存性に抑制された。以上より、ManumycinはRasのfarnesyl化を阻害することによりMAPKカスケードを介した細胞内シグナル伝達を抑制し、増殖能および浸潤能を抑制することが明らかとなった。またこれらの作用は変異型Rasを持つ細胞により強く現れる可能性が示唆された。これより、farnesyl化阻害剤は90%以上変異Rasを有する膵癌の新たな治療薬として有望と考えられた。
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