1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671297
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
錦見 尚道 名古屋大学, 医学部, 講師 (40242862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 恒久 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50144142)
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Keywords | エレクトレット / 人工血管 / 動脈閉塞症 |
Research Abstract |
人工血管に内皮細胞を付着させ抗血栓性を高める研究が精力的に行われいてるが、人工血管を負に帯電させることで、負に帯電している血液中の細胞表面との電気的な反発力で細胞成分の人工血管への付着を防ぐことが本研究の目的である。エレクトレット化および非エレクトレット化ゴアテックスシートを用いて、犬の下大静脈に植え込み実験を行った。各シートへの血栓の付着程度をマイクロコンピュータを用いた画像処理システムにより定量的に評価し、エレクトレット化の利点を解析し、陰性荷電面では血球成分の付着が少ないことが判明した。しかし、一部の犬では、植え込み部に感染を生じ評価が困難なものがあった。感染を防ぐため、頚静脈に植え込み場所を変更し、また、エレクトレット化を施した後の人工血管をEOガスを用いて再滅菌した。滅菌操作を繰り返すことにより電位の減衰が生じる恐れがあったため、滅菌前後の電位測定を行い、対照の非滅菌群との間に有意な減衰を生じないことを確認した。また、以前より使用していたエレクトレット化シートの電位を測定し、正電荷面と負電荷面を電気的に十分短絡させて極力微粒子の混入を防いだ環境では、長期的にも十分な電位が保存されていることを確認した。管腔構造をもつ物質に均一な電位を持たせることは本年の研究では達成できていない。今後も引き続きゴアテックス管のエレクトレット化を試みるが、シートを筒状に形成したものでの植え込み実験も同時に開始する事にしている。
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