1995 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌の増殖進展におけるオキシトシン・オキシトシンレセプターの関与について
Project/Area Number |
07671304
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
玉木 康博 大阪大学, 医学部, 助手 (10273690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅下 浩司 大阪大学, 医学部, 助手 (60252649)
朝川 秀樹 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 乳癌 / オキシトシン / オキシトシンレセプター |
Research Abstract |
乳癌におけるオキシトシン(OT)レセプター(OTR)の発現について新しく作成したモノクローナル抗体を用いて検索した。2F8抗体を用いたWestern blotting法によると70k OTRの発現が妊娠子宮筋および乳癌組織に確認された。免疫組織染色では乳癌患者57名中52名(91.2%)に2F8によるOTRの発現が確認された。異なるレセプタードメインを認識するモノクローナル抗体を用いても同様の結果であった。発現陽性52名中、28名はび慢性に(80%以上の細胞が染色された)、残り24名は部分的に染色された。び慢性染色症例にエストロゲンレセプターの発現がやや多い傾向が見られたが、他の臨床学的パラメーターとの相関は見られなかった。さらにOTR染色陽性症例についてNorthern blottingやRT-PCRを行い、妊娠子宮に発現するOTRと同じサイズであることも確認した。またフローサイトメトリーを用いて、4種類の乳癌細胞株にもOTRが発現していること確認した。しかしこれら細胞の短期培養(一週間)ではOTの増殖に関する影響は確認出来なかった。これらの事実から乳癌に発現しているOTRは筋上皮由来ではなく、腺あるいは導管上皮由来であると結論づけられた。乳癌におけるOTの関与についてはこれからさらに検討が必要であると考えられる。
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