1995 Fiscal Year Annual Research Report
ドナー抗原胸腺内投与による特異的免疫寛容誘導のメカニズム解析と異種移植への応用
Project/Area Number |
07671313
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中房 祐司 九州大学, 医学部, 助手 (80253417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 賢二郎 九州大学, 医学部, 助手 (30207873)
亀井 隆史 九州大学, 医学部, 講師 (30243942)
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Keywords | 胸腺 / 移植免疫 / 免疫寛容 / 心移植 / マクロファージ / 胸腺内抗原投与 / 接着分子 |
Research Abstract |
我々はドナー脾細胞をレシピエント胸腺内に投与し、併せて抗リンパ球血清の一回投与でレシピエントの成熟したT細胞を一過性に末梢することにより、ドナー特異的移植片寛容を誘導することに成功している。本研究の目的は、本モデルおいて胸腺内アロ抗原認識のメカニズムと寛容誘導の至適条件を追求することである。 25x106個のドナー脾細胞をレシピエント胸腺内へ投与し同時に1mlのウサギ抗ラットリンパ球血清(ALS)をレシピエント腹腔内へ投与する。21日後、ドナー心をレシピエント腹腔内へ異所性に移植する。この方法により、同種心移植片が長期生着することは再確認できた。この免疫寛容状態誘導にはドナー脾細胞中のviableな抗原提示細胞が必須成分であること(Transplant Proc 1994; 43: 845-846)より、脾細胞中のマクロファージを単離し、25x106個の脾細胞中におよそ含まれると思われる2.5x106個の脾マクロファージを胸腺内に投与し、心移植片生着を調べたが、約20%程度でしか長期生着は得られなかった。したがって、このモデルにおける寛容誘導にはドナー脾細胞中のマクロファージ以外の成分が重要な役割を担っていることあるいはマクロファージ単離過程における抗原提示能力の低下の可能性が考えられた。 そこで、当初の研究目的遂行のため胸腺内での抗原認識に必要な信号伝達系の検討(直接的抗原認識に必要な膜表面分子の解析)にあたっては、非分画の脾細胞をモノクローナル抗体(抗Ia抗体、抗ICAM-1抗体、抗Mac-1抗体等)にて処理し、心移植片生着を調べることとした。
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