1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトリンパ液の凝固・線溶機構およびヒトリンパ管内皮細胞の性状に関する研究
Project/Area Number |
07671317
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山角 健介 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (40260749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
愛甲 孝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60117471)
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Keywords | リンパ / リンパ管内皮細胞 / 胸管 |
Research Abstract |
胸管より採取したリンパに含まれる凝固・線溶因子:フィブリノゲン(Fbg),α_2-プラスミン・インヒビタ(α_2-PI),プラスミノゲンアクチベータ・インヒビタ(PAI-I),プラスミノゲン(Plg),組織型プラスミノゲンアクチベータ(t-PA),ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ(u-PA),アンチトロンビンIII(AT-III),プロテインC,トロンボモジュリン(TM)を23症例に測定することが可能となり,血漿と比較した。一昨年報告したように血漿と比較して,リンパFbgの低値が再確認された。さらに,今回,リンパに含まれるu-PAは血漿のそれに比較して有意に高値を示すことが明らかになった。 一方,10症例の胸管切除例から,パラフィン固定後,第VIII因子,t-PA,u-PA,TM,ティシュファクター(TF),ティシュファクター・インヒビタ(TFPI)に対する各抗体を用いて,免疫組織学的検討を行なった。これら抗体に胸管(リンパ管)内皮細胞が染色される場合とそうでない症例があり,現在,その原因を検索中である。原因のひとつに,胸管切除の際に内皮細胞が脱落している可能性が挙げられ,再度,検体を集めている状況である。 また,リンパ管内皮細胞の培養も行なっているが,培養系の確立には至らず,今後も継続する予定である。
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[Publications] 山ずみ 健介: "合成ペプチドを応用したフィブリン重合機転の解析" 日本血栓止血学会誌. 8. 75-83 (1997)
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[Publications] 山ずみ 健介: "腎尿路系疾患の検査-フィブリノペプチドBβ15-42" 腎と透析. 43. 389-390 (1997)
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[Publications] 山ずみ 健介: "腎尿路系疾患の検査-プロトロンビンフラグメント1+2" 腎と透析. 43. 385-386 (1997)
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[Publications] 山ずみ 健介: "APIを基準にしたASOの診療の実際" 血栓と循環. 5. 286-287 (1997)
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[Publications] KENSUKE YAMAZUMI: "An activated state of blood coagulation and fibrinolysis in patients with AAA" American Journal of Surgery. (印刷中).