1997 Fiscal Year Annual Research Report
IL-2遺伝子導入キラーT細胞を用いた癌養子免疫療法の確立
Project/Area Number |
07671321
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Research Institution | WAKAYAMA MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20191190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄野 嘉治 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60264884)
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Keywords | インターロイキン2 / キラーT細胞 / 遺伝子治療 / 養子免疫療法 |
Research Abstract |
平成8年度の研究実績に基づき,以下の知見を得ることができた. 1.IL-2遺伝子導入キラーT細胞の生物活性の検討 IL-2遺伝子導入キラーT細胞のIL-2産生能をELISA法およびIL-2依存性に増殖するHT-2細胞を用いたbioassay法で測定することにより,遺伝子導入細胞から生理活性を有するIL-2が産生されていることを確認した.また培地からIL-2を除去してもキラー細胞が自立性増殖能を持つかを否かの検討に加えて,抗IL-2抗体や抗Tac抗体の添加実験からautocrine loopを介するか否か検討した結果,自立性増殖能とautocrine loopを介した機能を持つことが判明した.また,自己腫瘍細胞に対する細胞障害活性をクローム遊離試験で測定し,この際,自己抹消血単核球やLAK細胞に対しbystander killingを認めるか否かについては現在検討中である.手術摘出組織より分離・凍結していたTILとの混合培養によりTILの活性化を誘導できるか否かについても同様である. 2.IL-2遺伝子導入キラーT細胞の安全性の検討 packaging細胞および遺伝子導入キラーT細胞からhelper virusが産生されないことをRT-PCR法で確認した.さらに,IL-2遺伝子導入によりc-myc,rasなどの癌遺伝子の増幅やp53などの癌抑制遺伝子の欠失が生じないか厳重にチェックし,nude miceやSCID miceへの移植実験で腫瘍化が起こらないことを確認した. 3.臨床応用計画 以上の基礎的検討成績に基づいて,このIL-2遺伝子導入キラーT細胞を用いた治療が安定して行えることの確認と厚生省遺伝子治療ガイドラインに沿った十分な安全性試験を行うために倫理委員会の承認をうけることを当面の目的とし,将来,まず癌性腹膜炎に対する腹腔内投与,肝転移に対する動脈内投与,肺転移に対する動脈内投与などの局所投与から臨床応用を開始するために基礎的研究を遂行中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yamaue H et al: "Clinical effect of chemoimmunotherapy for patients with peritoneal carcinomatosis." Oncology Rep.4. 583-589 (1997)
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[Publications] Noguchi K et al: "Enhancement of tumor cell susceptibility to tumor-infiltrating lymphocytes by cisplatin." J Cancer Res Cli Oncol.123. 345-351 (1997)
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[Publications] Hotta T et al: "Etoposide enhances the antirumor effects of cisplatin in gastric cancer cells." Anticancer Research. 17. 885-890 (1997)
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[Publications] Tsunoda T et al: "Clinical efficacy of adoptive immunotherapy by IL-4 activated tumor-infiltrating lymphocytes in patients with advanced cancer." Int J Clin Oncol.2. 202-207 (1997)