1996 Fiscal Year Annual Research Report
膵移植における細胞間伝達分子シグナルの制御による免疫寛容誘導の解析
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07671324
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
野澤 真澄 明海大学, 歯学部, 教授 (00084880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 壽記 大阪大学, 医学部, 講師 (20231152)
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Keywords | 膵移植 / 細胞間伝達分子シグナル / 免疫寛容誘導 / スルファチド / ICAM-1 / LFA-1分子 |
Research Abstract |
一般に移植膵は拒絶されやすく、免疫寛容の得難いことが知られており、まだ、一旦始まった拒絶反応の進行を阻止することが極めて困難であると言われている。これは炎症細胞が膵の間質へと浸潤することによって膵炎が惹起され、その後炎症細胞が浸潤するという悪循環が形成される膵移植の特異性に起因すると考えられる。従って、膵移植における免疫寛容誘導には移植直前から移植直後早期にかけて強力かつ適切な免疫抑制を行うことで移植膵に対するアロ免疫応答の早期に関与する接着分子-リガンドの経路をブロックすることにより膵移植における免疫寛容を誘導することである。 まずmultiple non-MHC抗原が異なるF344からLEWラットの膵移植モデルにスルファチド、抗ICAM-1/LFA-1抗体、またはこれら両者を投与し、その生着延長効果を以下の4群に分けた。 A群:無処置、B群:スルファチド投与(day-1,0に1mg/rat,iv)、C群:抗ICAM-1/LFA-1抗体投与(day1,3に2.5mg,ip)、D群:両者併用。その結果、生着日数がそれぞれA群:14±1.0日、B群:18.6±4.4日、C群:18.0±1.0日、D群133.3±124.7日であった。免疫学的にもeffector細胞の誘導が認められた。スルファチドにより膵移植モデルにおけるグラフト延長効果を認め、さらに間質へのリンパ球浸潤に関与するICAM-1/LFA-1分子を制御することにより、グラフトの延長を認めた。以上、セレクチン阻害剤であるスルファチドと抗ICAM-1/LFA-1抗体の併用により、有意な生着延長が認められた。
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