1996 Fiscal Year Annual Research Report
DNAトポイソメラーゼ活性誘導による化学療法の開発
Project/Area Number |
07671325
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
安西 春幸 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30193098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門倉 正樹 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80224559)
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Keywords | トポイソメラーゼI / トポイソメラーゼII / 化学療法 / トポテカン / エトポシド / 大腸癌 |
Research Abstract |
ヌードマウスに皮下移植した腫瘍は長径が5〜7mmになった時点よりTopotecan、Etoposideを3日間連続投与を行った。投与量はTopotecan2、5、10mg/kg、Etoposide1、2,5mg/kgとして行ったが、4、8、12、24、48時間後において明らかなTopo活性の誘導は認められなかった。また経時的に摘出した腫瘍のDNAに断片化は認めなかった。両薬剤を併用した化学療法は現在進行中であるが、両者を単回投与とするよりは連日投与において、副作用が少なく抗腫瘍効果がよりみられる傾向にあると考えられる。現在までのところ先行薬剤をいずれにすべきか、先行薬剤投薬量をどの程度にすべきかについては結論が出ていない。抗腫瘍効果にみる組織学的所見では、necrosisのほかapoptosisも認められるが、さらに投与量を変えて検討が必要である。投薬量によってnecrosis、apoptosisの発現が異なる可能性もある。 以上よりin vivoでの検討ではTopo活性を増強すべくoptimal dose、optimal scheduleはなかった。Topo阻害剤によるTopo活性の誘導はないが、大腸癌の化学療法として臨床応用を行う上では、標的癌細胞のTopoI,II活性を測定し、活性値の高い方のTopoの阻害剤を後投与とし、弱い活性のTopo阻害剤を先行投与することが副作用が少なく、抗腫瘍効果を得ることと考え今後も検討を行っていく。
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