1995 Fiscal Year Annual Research Report
モノクローナル抗体を応用した内分泌悪性腫瘍抗原の組織化学的、生化学的解析
Project/Area Number |
07671342
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
清水 一雄 日本医科大学, 医学部, 講師 (20133449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名取 穣二 日本医科大学, 医学部, 助手
長浜 充二 日本医科大学, 医学部, 助手 (30241102)
岩村 太郎 日本医科大学, 医学部, 助手
渡辺 秀裕 日本医科大学, 医学部, 助手 (40191788)
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Keywords | モノクローナル抗体HISL-19 / 神経内分泌腫瘍 / 腫瘍マーカー / 内分泌細胞癌 / カルチノイド / 免疫組織化学 / Western Blotting法 |
Research Abstract |
「目的」各種モノクローナル抗体(特に、HISL-19)を用い、内分泌腫瘍および非内分泌腫瘍の免疫組織化学的検索を試み,本抗体の腫瘍マーカーとしての意義を検討する。更に、本抗体に対する共通抗原を生化学的に検討する。 「材料と方法」材料は、手術時得られた内分泌および非内分泌腫瘍のformalin固定、paraffin包埋標本で4μに薄切したものを使用。組織化学的手技は蛍光抗体法またはSAB法を用いた。また、抗原検索の生化学的手技にはWestern Blotting法を応用した。 「結果」組織化学的にHISL-19に陽性所見を呈した腫瘍は、甲状腺腫瘍の中ではC-cell由来の髄様癌のみであった。膵腫瘍の中ではインスリノーマ、ガストリノーマ等のislet cell tumorで、acinar cell carcinomaは陰性であった。副腎腫瘍の中ではcushing症候群、アルドステロン症等の皮質腫瘍は陰性であったが、髄質腫瘍である褐色細胞腫は陽性所見を呈し、特に悪性で強陽性所見を示した。消化管腫瘍の中ではカルチノイドおよび内分泌細胞癌に陽性を示し、食堂癌、胃癌、大腸癌、直腸癌は陰性であった。腹水の細胞診でも同様な結果を得た。組織化学的に陰性な、甲状腺乳頭癌、副腎皮質腫瘍および弱陽性を呈した良性褐色細胞腫と強陽性を呈した悪性褐色細胞腫に対してWestern Blottingをおこなった結果は悪性褐色細胞腫において他に見られないバンド(新しい抗原)が確認された。 「考案と今後の実験計画」本抗体は内分泌腫瘍の腫瘍マーカーとして有用性があり、細胞診の結果からこの種の腫瘍の術前診断に臨床応用できる。また、Western Blottingの結果から悪性内分泌腫瘍において新しいHISL-19抗原が出現するものと思われる。 以上、これらの研究結果はコンピューターに登録、整理し組織化学的所見も写真としてコンピューターに保存した。これら一連の研究結果は平成7年9月カナダ、ケベック市において発表した。 今後は免疫電子顕微鏡により本抗原が細胞質のどのorganellaeに局在しているのかを検討する。また、我々の保有する他のモノクローナル抗体を用い同様な実験を試み、内分泌腫瘍に対する結合能の相違に関して検討を加える。
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[Publications] Kazuo Shimizu et al: "monoclonal anttbody HISL-19:Its immunohistochemical,bicchemical and unmuno-electron microscopic characteristica for neuro-endocrine cells and their tumors." 9th Annual meeting of the ASIA-PACIFIC ENDOCRINE CONFERENCE (Proceedings). 40-40 (1996)
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[Publications] Kazuo Shimizu et al: "lmmunohistochemical,biochemical and immunoelectron micro-scopic analysis on neuro-endocrine tumors using HISL-19" Fifth International Congress on Hormone and Cancer at Quebec city (Proceedings). (1995)