1995 Fiscal Year Annual Research Report
会陰部人工肛門造設に関する基礎的研究(特に人工括約筋装置の開発を中心に)
Project/Area Number |
07671351
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
今 充 弘前大学, 医学部, 教授 (00003476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須貝 道博 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (70206390)
三上 泰徳 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (30183627)
羽田 隆吉 弘前大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (50125457)
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Keywords | 人工括約装置 / 会陰部人工肛門 / 結腸運動日内変化 |
Research Abstract |
1.括約装置の作製 デキストランマグネタイド注入嚢ならびにプラスチックゴム磁石を用いて,括約装置のプロトタイプを作製,イヌ下行結腸単口式人工肛門にこれを取り付け装置を取り付け加圧試験を行った(急性実験)。下行結腸口側閉鎖後,加圧すると200mmHg以上の圧に対しても漏洩は認められなかった。ヒト結腸内圧が200mmHg以上になることは殆どないので,装置の密着力は十分であり,慢性実験の試行が可能と考えられた。 2.会陰部人工肛門における便排出の観察 イヌ肛門括約筋を除去し,直腸を引き降ろして会陰部人工肛門犬を作製,排便状態を観察した。会陰部人工肛門からは水様便あるいは軟便が絶えず排出され,イヌは高度の脱水に陥った。このことから直腸も含め,全大腸を温存しても,肛門括約筋機構(即ち大腸末端の閉塞機構)が失われれば速やかに生命を脅かす状態が招来されると考えられた。 3.人工肛門造設による結腸運動変容の分析 結腸運動は収縮群(burst of contractions,contractile state,CS)が様々の長さの無運動期(quiescent state,QS)に隔てられ終日て繰り返すという基本様式をもち,これは食餌摂取によっても変化しない。われわれは人工肛門造設前後の結腸運動を比較検討し以下の結論を得た。 1)QSの延長は結腸運動の空腹期パターンそのものである. 2)QSの延長には結腸内容の有無・移動,回腸末端部の運動が関係しないことから,これには神経・体液性機構の関与が推測される. 3)人工肛門造設後の肛側結腸運動から,結腸はいずれの小部分も独自の収縮リズムをもち,その収縮が近傍遠位部位に伝播するか,あるいはその収縮リズムが近傍遠位部位の収縮リズムを支配する機構(relaxation oscillator)の存在が示唆される.
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