1997 Fiscal Year Annual Research Report
会陰部人工肛門造設に関する基礎的研究(特に人工括約筋装置の開発を中心に)
Project/Area Number |
07671351
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
羽田 隆吉 弘前大学, 医学部・附属病院, 教授 (50125457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須貝 道博 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (70206390)
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Keywords | 人工肛門 / 人工肛門周囲皮膚障害 |
Research Abstract |
結腸人工肛門造設後の周囲皮膚障害を組織学的に検討した. 【方法】 1組織:雑犬2頭の結腸中間に完全離断型二連銃式人工肛門を造設,便収納バッグ(LAPACK^<TM>)を装着した状態で6ヶ月間飼育した後,人工肛門周囲皮膚の組織学的検討を行った.またヒト(小児)結腸人工肛門造設症例7例,回腸人工肛門(腸瘻)造設症例2例から,人工肛門閉鎖術時に周囲皮膚の提供を受け,これらの検討も行った. 2染色等:10%緩衝ホルマリンで固定後,パラフィン包埋を行なって4mmの薄切標本を作製した後,結腸人工肛門例にはH-E,Masson-Trichrome,PAS,Alcian-Blueの各染色を,回腸人工肛門例にはWangieson染色も行った. 【結果】 1結腸人工肛門:表皮網状突起の肥大,棘をもつ表皮細胞の増加が見られ,いわゆる表皮肥厚の所見を呈していた.また表皮肥厚に伴い,角質中に扁平な濃縮核が残存した不全角化像がみられ,角化過程が促進した状態を示していた.7例中2例に角質層にPAS陽性反応が見られた.しかしながら,角質剥離,表皮剥離などの所見はなく,表皮構造は保たれていた. 2回腸人工肛門:表皮の肥厚を認めたが,結腸人工肛門の場合に比較して軽度であった.部分的に角質層から有棘層に至る欠損が見られた.真皮層に炎症細胞浸潤を認め,Masson-Trichrome染色では真皮の線維化が著名で,いわゆるerosionの所見であった.
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