1996 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌におけるvariant CD44の発現とその転移能への関与について
Project/Area Number |
07671375
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Research Institution | Fukui Medical School |
Principal Investigator |
山口 明夫 福井医科大学, 医学部, 助教授 (10174608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 和郎 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00181199)
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Keywords | CD44 / CD44 variant exon 8-10 / liver metastasis / colorectal cancer |
Research Abstract |
前年度の研究にて、大腸癌において細胞接着分子CD44 variant exon 8-10が血行性転移に深く関連し、その発現は独立した予後規定因子となることをNorthern blot analysisおよび免疫組織学的検索にて明らかにした。今年度はCD44 standard typeおよびCD44v8-10に対するモノクローナル抗体をもちいて、サンドウイッチ法によるELISA systemにて血清中CD44v8-10値の測定を可能とし、健常人および大腸癌患者にてその値を測定し、その有用性について検討した。その結果健常人のCD44v8-10値が0.29±0.10であったのに対して、大腸癌患者では0.69±0.34と有意に高値を示した。また臨床病理学的には静脈侵襲陽性ならびに肝転移陽性例でのCD44v8-10値が陰性例に比して有意に高く、血清中CD44v8-10は血行性転移のマーカーとなりうることがしさされた。 さらにヒト大腸癌細胞株HT29をもちいたマウス肝転移モデルにおいて、抗CD44v8-10抗体(mAb44-1V)の肝転移抑制についての検討もおこなった。Flow cytometryおよびWestern blottingにて大腸癌細胞株HT29にCD44v8-10が強く発現することを確認した。in vitroではmAb44-1Vで処理したHT29とmouse IgGにて処理したHT29の増殖曲線には有意な差はみられなかった。しかしマウス肝転移モデルにおいて、IgG処理群では脾臓内投与により全例に肉眼的に肝転移が認められたのに対して、mAb44-1V処理群では9匹中1匹に肝転移がみられたのみで、結節数も少なく、mAb44-1Vによる肝転移抑制が確認された。一方mAb44-1Vの静脈内投与では転移能に影響はみられず、肝転移を抑制することはできなかった。以上より、接着分子CD44v8-10は大腸癌肝転移において、初期の段階での肝の血管内皮への接着に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Akio Yamaguchi: "Expression of a CD44 variant containing exons V8-10 is a useful independent factor for the prediction of prognosis in colorectal cancer patients" Journal of Clinical Oncology. 14(4). 1122-1127 (1996)
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[Publications] Takanori Goi: "CD44 with variant exons 8-10 in colorectal tumors : Expression analysis by a variant exon 9-specific monoclonal antibody" International Journal of Oncology. 8. 657-662 (1996)
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[Publications] Takanori Goi: "Soluble CD44 variant exons 8-10 protein in the serum of colorectal cancer patients" British Journal of Surgery. (in press).