1995 Fiscal Year Annual Research Report
MALT型胃悪性リンパ腫の生物学的悪性度と遺伝子異常の解析
Project/Area Number |
07671404
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 裕 九州大学, 医学部, 助手 (40196267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 賢二郎 九州大学, 医学部, 助手 (30207873)
水元 一博 九州大学, 医学部, 助手 (90253418)
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Keywords | 胃悪性リンパ腫 / MALT型リンパ腫 / 臨床病理学 / 遺伝子解析 / 外科治療 / 化学療法 |
Research Abstract |
平成7年度のこれまでの研究では、過去十年間の当院における胃悪性リンパ腫の外科的切除症例について病理学的ならびに臨床経過について検討した。症例総数は、37例で平均年齢58歳、男女比20:17であった。肉眼的には、表層拡大型が19例ともっとも多く、組織型ではMALT型が20例と最も多かった。深達度はsmが21例と最も多かった。手術術式では、表層拡大型が多いことを反映して、胃全摘症例が33例と大多数をしめた。リンパ節転移は19例にみとめ、そのうち、18例に手術後の化学療法をおこなった。術後5年生存率は75%で、術後化学療法群64%、非施行群83%であった。 これまでの研究により、臨床病理学的検討を行い得た。その結果、MALT型を含む胃悪性リンパ腫は、表層拡大型が多く、原則的には胃全摘手術を先行しておこない、病理学的進行度に基づいて化学療法を付加する治療方針で、概ね妥当であると考えられた。現在までのところ、遺伝子解析は緒についたばかりであり、今後、切除標本を用いて、分子生物学的に解析を行い、臨床病理学的検討との比較が必要であるあると思われた。また、celllineの確立も、まだ達成されていないが、樹立されればその生物学的解析の意味合いが重要となると考えられる。
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