1995 Fiscal Year Annual Research Report
虚血再灌流時の肝微小循環障害の発生過程における活性酸素と接着分子の発現
Project/Area Number |
07671414
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
国崎 主税 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70264611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 博之 横浜市立大学, 医学部・第二外科, 講師 (90230317)
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Keywords | 肝 / 再灌流障害 / 接着分子 / 活性酸素 / 類洞内皮細胞障害 / プロスタグランジンE1 |
Research Abstract |
ラット60分肝温阻血再灌流モデル(in vivo)を用いて、再灌流による肝微小循環障害の発生過程における活性酸素及び接着分子の発現と、それらに関与する因子について、さらにPGE1の障害抑制効果について検討した。 1.肝障害の程度:GOT,GPTはPGE1群で有意に低値であり、胆汁産生量は再灌流2時間目以降でPGE1群が有意に高値を示した。 2.サイトカインの関与:TNFαは両群で測定感度以下であったが、IL-8はPGE1群で上昇が抑制される傾向にあった。また、この再灌流障害は塩化ガドリニウムによって抑制されなかった。 3.類洞内皮細胞障害の程度:ヒアルロン酸消失率はPGE1群で良好に保たれる傾向を示した。 4.好中球の関与:肝組織のHE染色では肝細胞の巣状壊死と好中球浸潤をCONTROL群により強く認めた。 5.接着分子の関与:ICAM-1染色はPGE1群でその発現が抑制された。 6.活性酸素の関与:PGE1投与群では再灌流後の活性酸素発生が抑制される傾向にあった。 以上より、肝温阻血再灌流障害における接着分子を介した類洞内皮細胞好中球の相互作用、活性酸素の関与と類洞内皮細胞障害に起因する微小循環障害の発生が示唆された。また、kuppfer細胞を生成するTNFの関与は少ないと考えられた。今後、生体蛍光顕微鏡を用い、障害発生におけるそれぞれの因子の時間的、空間的分布を検討し、障害発生機序を解明すると共に、PGE1の障害抑制機序について明らかにしていくつもりである。
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