1997 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌におけるがん関連遺伝子の異常とレプリケーションエラーの診断・治療への臨床応用
Project/Area Number |
07671417
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山田 行重 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50254496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 明彦 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80211671)
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Keywords | 胃癌 / がん遺伝子 / がん抑制遺伝子 / マイコロサテライトインスタビリティー / レプリケーションエラー |
Research Abstract |
c-erbB2は分化型に多く深達度と相関し、Cyclin Eはリンパ節転移、深達度と相関し、予後不良であった。c-metはscirrhous typeに多く腹膜転移と相関する。 Genetic instabilityについてはマイクロサテライトマーカー領域での複製エラー(RER)について検索してきた。検索した胃癌症例42例中12例(28.6%)にRER陽性が認められた。組織型でみると、分化型(乳頭腺癌、管状腺癌)の21例中7例がRER(+)であり、未分化型(低分化腺癌、印環細胞癌、粘液癌)の21例中5例がRER(+)であった。深達度別では、組織学的漿膜侵襲陰性s(-):t1、t2と陽性s(+):t3,t4に分けて検討した。s(-)が36例中11例にRER(+)であったのに対し、s(+)では6例中1例にRER(+)であった。リンパ節転移についてみると、n(-)では16例中3例にRER(+)であったが、n(+)では24例中9例にRER(+)であった。組織型、深達度、リンパ節転移の有無とは有意差は認められなかったが、胃癌においてもDNA複製の正確性や修復機能の低下が胃癌の発生、進展の過程において関与している可能性が示唆された。
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