1995 Fiscal Year Annual Research Report
早期胃癌の低侵襲外科治療に関する研究-内視鏡治療におけるロボット技術の導入-
Project/Area Number |
07671419
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
比企 能樹 北里大学, 医学部, 教授 (10050395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 伸行 北里大学, 医学部, 講師 (00162008)
榊原 譲 北里大学, 医学部, 教授 (00050451)
嶋尾 仁 北里大学, 医学部, 講師 (00146408)
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Keywords | Laser endoscopy / glass fiber / 早期胃癌内視鏡治療 / 癌病変遺残 / 遠隔操作 / ロボット治療 / 前方直視型スコープ / 側視型スコープ |
Research Abstract |
内視鏡治療で最も必要な条件は、遠隔操作による手術治療がいかにスムースに行われるかということである。 経管内視鏡による治療 経口的にファイバースコープを用いて食道・胃の病変を治療する際に、遠隔操作による治療が行われる。ロボット治療の基本である。 今回の研究は、第一に管腔内において盲点のない治療手技を完成する目的で、レーザー光線による凝固治療を取り上げた。この治療は消化管内腔に遺残した癌病変に対して、いかに完全に遺残病変を消化し得るか?腔内のあらゆる部位を盲点なく照射し、治療し得るか?現在までに行われた臨床治験例を分析することにより、治療成績からみてどのような点を改良することによって成績の向上に連なるかを検討した。 早期胃癌の内視鏡治療成績 我々の施設で行っている治療指針に従い、つまり癌の内視鏡切除法を第一選択として治療しているが、この場合、初回治療にて完全に切除できる割合は70%であった。残り30%は初回治療で切除しきれず辺縁に遺残することがわかった。この遺残病変に対する治療に、我々はLaser endoscopyによる方法を導入した。その結果、最終的に98.5%の消失率を得るに至った。 Endoscopic Surgeryにおける器具開発 上記成績を得るに至った経緯が、本研究の主題である内視鏡治療器具、殊に遠隔操作により盲点のない治療効果が得られる機器の開発であった。このために、我々は次の2つの工夫を行った。第一は従来の前方直視型のスコープから側視型のファイバースコープを用いることとした。第二はこのスコープの鉗子口を介して、対外から管腔内へ到達するグラスファイバーを細茎のものとし、90°の弯曲に耐え得る導光用グラスファイバーを開発した。この場合、先端に発信するレーザー光の出力の減衰は、ほとんどみられず治療上も問題のないことが判明した。
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[Publications] H.Mieno: "Diagnosis and Treatment of Early Gastric Cancer" Acta Chir.Austriaca. 1. 15-19 (1995)
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[Publications] H.Shimao: "Endoscopic management and treatment of early gastric cancer" Acta Endoscopica. 25(1). 21-31 (1995)
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[Publications] Y.Hiki: "Modified Treatment of Early Gastric Cancer:Evaluation of Endoscopic Treatment of Early Gastric Cancer with Respect to Treatment Indication Groups" World J.Surg.19. 517-522 (1995)
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[Publications] 嶋尾仁: "縮小手術としての内視鏡治療" 外科治療. 73(3). 273-277 (1995)
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[Publications] 嶋尾仁: "食道癌の光線力学的治療" 癌と化学療法. 23(1). 36-40 (1996)
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[Publications] 比企能樹: "今日の治療指針(分担執筆)" 医学書院, 1435 (1996)