1997 Fiscal Year Annual Research Report
誘発胆管細胞癌発生過程と胆汁酸負荷、DNA量変化と癌関連遺伝子発現
Project/Area Number |
07671434
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
木南 義男 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (00019928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮越 稔 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助手 (90200146)
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Keywords | 胆管細胞癌 / 癌発生過程 / DNA量 / 細胞核面積 / PCNA / P^<53> / 胆汁酸負荷 / DIPN |
Research Abstract |
1.実験群と検索の内容項目:発癌物質のdiisopropanolnitrosamine(DIPN)と標準固型飼料投与のDIPN対象群、DIPNと0.5%タウロコール酸ナトリウム経口投与のDIPN-TCA群およびDIPNと0.5%デオキシコール酸ナトリウム経口投与のDIPN-DCA群につき、実験開始15週以後に細胞核面積、proliferating cell nuclear antigen(PCNA)陽性細胞率およびP^<53>蛋白陽性発現率を検索した。 2.細胞核面積:正常胆管細胞の平均核面積は26μm^2であった。各群の増殖細胆管および嚢胞状細胞胆管病巣の核面積は週を経るにつれ拡大し、DIPN-DCA群の両病巣における25週目の核面積は各々42および38μm^2で、DIPN対照群の34および30μm^2に比し有意差を示した。(P<0.01)。胆管細胞癌の核面積は著しく広く、25週目には63-65μm^2であった。しかし、各群間における有意差はなかった。 3.PCNA陽性細胞率:正常胆管細胞のPCNA平均陽性細胞率は19%であった。各群とも細胆管および嚢胞状細胆管病巣の平均陽性率は週を経るにつれ高率となり、25週目では51-67%および48-60%であった。15、20週目にDIPN-DCA群とDIPN対照群との間で、25週目に胆汁酸負荷両群とDIPN対照群との間で有意差をみた(P<0.05,0.01)。胆管細胞癌のPCNA陽性細胞率は15-25週目に66-76%と高率であったが、各群間に有意差はなかった。一方、増殖細胆管病巣において胆汁酸負荷両群は核面積とPCNA陽性率との間に有意の相関を示した(P<0.05,0.01)。 4.P^<53>蛋白陽性発現率:増殖細胆管病巣のP^<53>蛋白陽性発現率は、25週目に各群で10-37%にみられた。胆管細胞癌の陽性発現率は25週目において14-50%であった。両病巣ともにDIPN-DCA群は高率を示したが、各群間における陽性発現率に有意差はなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 宮越 稔: "胆管細胞癌の発生増殖と胆管上皮における細胞学的解析-第五報、diisopropanolnitrosamine誘発増殖細胆管と胆管細胞癌のnuclear areaとPCNA発現に及ぼす胆汁酸負荷の影響" 金沢医科大学総合医学研究所年報. 8. 108-119 (1997)
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[Publications] Yoshio Kinami: "Bile acid load on the DNA distribution pattern of bile ductules and cholangiocarcinoma induced by diisopropanolnitrosamine in hamsters" Oncology. 55. 77-86 (1998)