1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671440
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
緒方 裕 久留米大学, 医学部, 講師 (20177124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 由人 久留米大学, 医学部, 助手 (90192880)
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Keywords | 大腸癌 / 肝転移 / Matrix Metalloprote / Tissue Inhibitor of Matrixmetalloproteinases 1 / Matrix Metalloproteinase 3 / プラスミノーゲンアクチベータ- |
Research Abstract |
1)ヒト大腸腫瘍におけるMMP-9の発現変化 免疫染色およびin situ hybridizationにより正常粘膜および各病期の大腸腫瘍組織におけるMMP-9の発現と局在を検討した結果、MMP-9は単球-マクロファージ、好中球、繊維芽細胞などの間質細胞と腫瘍細胞自身に発現した。腺管細胞および腫瘍細胞のMMP-9の発現は、正常粘膜の腺管細胞→腺腫細胞→早期癌細胞→進行癌細胞と腫瘍の発生や進展に伴って高くなった。また、進行癌症例では、腫瘍細胞のMMP-9発現と肝転移、壁深達度あるいは組織学的分化度との相関が認められた。特に、肝転移との極めて強い関連がみられ、腫瘍細胞に発現するMMP-9は基底膜分解酵素としての大腸癌血行性転移形質であると考えられた。 2) MMP-9とTIMP-1の相互作用 ヒト大腸癌組織およびヌードマウス大腸癌自然肝転移モデルにおけるMMP-9およびTIMP-1の産生細胞をin situ hybridizationにより同定し、産生細胞別の発現度と肝転移との関係を見ると、原発巣の腫瘍細胞に産生される酵素MMP-9とインヒビターTIMP-1の量的なバランスが肝転移に重要であることが示された。 3) MMP-3の発現と局在 MMP-3は単独で直接proMMP-9を活性化する(Ogata et al., J. Biol. Chem., 1992)ことから大腸癌組織におけるMMP-3の発現をMMP-9との関連から検討した。MMP-3の発現は、間質の単球-マクロファージ、好中球などの炎症性細胞に少数認められたが、腫瘍細胞での発現はみられなかった。現時点では間質細胞におけるMMP-3の発現あるいは腫瘍細胞におけるMMP-9とのco-expressionと肝転移には明らかな関連性は認められない。今後、症例を重ねて検討を続けたい。
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Research Products
(2 results)