1996 Fiscal Year Annual Research Report
肝部分切除術後の肝機能総量の変化についての検討-機能的肝再生と形態的肝再生
Project/Area Number |
07671443
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Reserch |
Principal Investigator |
橋本 雅司 財団法人 冲中記念成人病研究所, 研究員 (70221497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 五朗 財団法人 冲中記念成人病研究所, 研究員 (30192438)
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Keywords | 肝機能総量 / 肝部分切除 / 機能的肝再生 / 形態的肝再生 / ICG / アミノピリン / EGF / SOMATOSTATIN |
Research Abstract |
本研究では、小動物に対しICGクリアランスメーターによる非観血的なICG-k値の測定法を確立した。さらにCLamp、CLantによる肝機能総量の測定法を確立した。一方、肝重量割合、DNA含量、組織のPCNA染色によるlabeling indexなどにより70%肝部分切除後の形態的な再生を評価した。その結果、肝部分切除後の肝再生の過程において細胞の分裂期に肝機能総量が最低になり、さらに肝臓の形態的再生に遅れて機能的な再生が起こることを明らかにした。また、肝細胞の分裂期以降の再生肝臓が多血状態であることを示した。 70%肝部分切除では細胞増殖のドライブが強く、機能的再生状態が変化する程、形態的な再生状態を変化させることは困難であった。今後はより強力な肝細胞の増殖因子や細胞増殖抑制因子の投与による検討や、再生過程が異なる50%あるいは90%肝部分切除での検討が重要であると考えられた。 また、肝部分切除後の栄養の投与による検討でも、形態的な肝再生や肝機能総量を明らかに変化させる程の影響は認められなかった。今後は、肝部分切除後の栄養補助の基礎的な検討が必要と考えられた。さらに、わが国の原発性肝癌の大部分が肝硬変を中心とする慢性障害肝臓に発生していることより、肝硬変モデルなどの障害肝臓モデルの術後の肝機能不全の回避を目的とした機能的肝再生の経時的な検討が臨床的にもより重要であると考えられた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Masaji Hashimoto,et al: "Functional Capacity of the Liver after 2/3Partial Hepatectomy in the Rat" Surgery. (in press). (1997)
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[Publications] Masaji Hashimoto,et al: "Abscess Cawed by "Dropped"Stones after Laparoscopic Cholecystectomy for Cholelithiosis:A Report of threc Coses" Surgery Today. 27.(4) (in press). (1997)
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[Publications] Masaji Hashimoto,et al: "Gastrointestinal Bleeding from a Hepatccellular Carcinoma Invading the Transverse Colon" Journal of Gastroenterolagy and Hepatology. 11.(8). 765-767 (1996)
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[Publications] 渡辺五朗,橋本雅司 他: "膵鉤部切除の概念と手技" 手術. 50(2). 165-171 (1996)
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[Publications] Masaji Hashimoto,et al: "Clinically Silent Pancreatic Glucago ronas Discovered in Resected Specimers by Immsnohistochemistry" Surgery. (in press). (1997)
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[Publications] 橋本雅司 他: "糖尿病III型に起因する肝硬変症に合併した食道胃静脈癌破裂の1例" 肝臓. 37 Supple(2). 99- (1996)
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[Publications] 橋本雅司 他: "日本消化器病学会雑誌 93(8)" インドシアニン グリーン(ICG) クリアランスメーターを用いた肝および全身循環動態の測定, 297 (1996)
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[Publications] 橋本雅司 他: "日本消化器外科学会雑誌 29(6)" インドシアニン グリーン(ICG) クリアランスメーターを用いた有効肝血流量の測定と評価, 1559 (1996)