1995 Fiscal Year Annual Research Report
肺保存の摘出時初回灌流におけるカルシウム拮抗薬の効果に関する研究
Project/Area Number |
07671445
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 重幸 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (10270787)
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Keywords | 肺移植 / 肺保存 / 摘出時初回肺灌流 / カルシウム拮抗薬 / 細胞内液型保存液 |
Research Abstract |
予備実験として,回路の確立も行う目的も兼ねて,初回灌流時の肺血管抵抗を標準UW液(K=140mM),低カリウムUW液(K=20mM),標準UW液+Nifedipine(10^<-6>M)(K=140mM),低カリウムUW液+Nifedipine(10^<-6>M)(K=20mM)で測定した.麻酔下,気管切開を行い換気下に4℃の冷却灌流液を30cmの高さより,総量100ml/kg body weight肺動脈に留置したカニューレより初回灌流を行った. (結果)肺血管抵抗(PVR;mmHg/ml/min) 1.低カリウムUW液(K=140mM):PVR=0.86±0.07(n=3) 2.低カリウムUW液(K=20mM):PVR=0.42±0.02^*(n=3) 3.標準UW液+Nifedipine(10^<-6>M):PVR=0.18±0.06^<**>(n=3) 4.低カリウムUW液+Nifedipine(10^<-6>M):PVR=0.09±0.04^<**>(n=3) (^*p<0.05,^<**>p<0.01vs標準UW液) これは当初の予想通り,高カリウム低ナトリウムの細胞内液型組成の灌流液により肺血管床が強い血管収縮をきたし,それがカルシウム拮抗薬の使用により血管収縮が抑制されたことによるものと考えられる. 現時点ではまで灌流回路の確立を行っている段階であるが,予備実験ではおおむね予想通りの結果が出ていること,また灌流回路の確立もできつつあるので,今後は当初の実験プロトコール通り研究を進めていく予定である.
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