1996 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋を用いた上下大静脈逆流防止法及び右房収縮補助法による右心機能補助の検討
Project/Area Number |
07671447
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄司 好己 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (00196586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貞弘 光章 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (80250778)
田林 晄一 東北大学, 医学部, 教授 (90142942)
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Keywords | Dynamic Cardiomyoplasty / 有茎広背筋 / 右心機能 / Fontan手術 |
Research Abstract |
【目的と方法】 有茎広背筋を用いたSVC, IVCの逆流防止効果と右房収縮効果について雑種成犬を用いて実験的研究を行なった。右側広背筋を剥離し、中枢側から入り込む神経、血管を温存しながら末梢側を切断し、さらに3つのコンパートメント(Transverse, Oblique, Lateral segments)に分割した。第5肋間開胸し、SVC, IVCを剥離後、上下大動脈に16mm径のパルスドップラー血流計(Dimension system VF-1)を装着した。第3肋間から有茎広背筋を右胸腔内に挿入し、狭窄を生じないようSVC, IVCに各々transverse, lateral segmentを巻付けて固定した。oblique segmentは右心房自由壁を覆うように右側心膜折り返しと縫着固定した。刺激装置はCardiomyostimulator (Myostim Medel 7220, Telectronics Inc., Australia)を用い、右房にsensing lead、広背筋にpacing leadを各々2本づつ縫着した。この装置は埋め込み型で心房波感知が困難であったため、心房非同期、pulse幅0.4msec、interval 30ns、5Vの5連発pulse trainのBurst刺激とした。測定パラメーターは大動脈(平均)、右房圧(最大、平均、脈圧)、大動脈血流速度で刺激、非刺激時に測定した。また、SVC, IVCへの広背筋の巻付けを解除した状態で同様に各パラメーターを測定した。 【結果】 SVC, IVCへの広背筋の巻付けた状態では、非刺激時に比し、刺激時には右房圧の最大、脈圧は増加したが、平均圧は低下し、平均大動脈圧、大動脈流速も低下した。広背筋の巻付けを解除すると刺激時の各パラメーターは増加傾向を示した。 【結論】 SVC, IVCへの広背筋の巻付けは、刺激時に右房への流入障害を起こすと考えられたが、解除すると流入障害は消失し、右房収縮補助効果は、大動脈血流速度が上昇することから、期待できると考えられた。
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