1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671466
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南 正人 大阪大学, 医学部, 助手 (10240847)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尹 享彦 大阪大学, 医学部, 助手 (50283768)
武田 伸一 大阪大学, 医学部, 助手 (30236468)
藤井 義敬 大阪大学, 医学部, 講師 (40156831)
|
Keywords | 肺移植 / 拒絶反応 / 一酸化窒素 / ラット |
Research Abstract |
前回の報告で、肺移植後急性拒絶反応の際に、移植肺での一酸化窒素(NO)産生によって呼気中のNO濃度が増加すること、また呼気中のNO濃度は非侵襲的な拒絶反応の指標となりうることを報告した。一方で、気管支肺胞洗浄(BAL)は肺のより局所的な状態を反映し、またNOを産生する細胞もBALで回収されると考えられる。従つて、より優れた拒絶反応の指標としてBAL回収細胞の産生するNOが有用ではないかと仮説し、以下の研究を行った。 <方法>ラット同所性左肺移植を、異系群(Brown Norway(RT1^n)→Lewis(RT1^l),n=4)と同系群(Lewis→Lewis,n=4)にて行った。免疫抑制剤は投与せず、レシピエントは術後3または5日目に犠牲死させた。呼気中のNO、気密容器内で培養したBAL回収細胞から産生されたNO、血清NO_2^-/NO_3^-を測定した。組織学的に拒絶反応をスコア化した。 <結果>BAL回収細胞から産生されたNOは術後3日目に異系群で11.6±2.5ppbと同系群(測定感度以下)に比して有意に高値で(p=0.0078)、これは5日目には195.4±154.7ppbと増加を認めた(p<0.0001)。呼気中のNOは異系群で5日目に13.2±2.6ppbと有意な増加を認めた(p=0.0004)。組織学的拒絶反応は異系群で3日目から5日目にかけて増悪を認めた(p=0.0209)。血清NO_2^-/NO_3^-は5日目に29.9±8.1μMと有意な増加を認めた(p=0.096)。 <結論)BAL回収細胞から産生されたNOは呼気中のNOよりも拒絶反応のマーカーとして優っていると考えられた。 今後、呼気中のNOあるいはBAL回収細胞から産生されたNOの、慢性拒絶反応の指標としての有用性を検討する予定である。
|