1996 Fiscal Year Annual Research Report
自己肺動脈圧駆動式植え込み型小型人工肺の開発に関する研究
Project/Area Number |
07671489
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
野々山 真樹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40201701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 聡 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60246551)
前田 朋大 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00246555)
盆子原 幸宏 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90246554)
八田 光弘 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00167587)
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Keywords | 末期肺高血圧症 / 膜型人工肺 / 完全植え込み型人工肺 |
Research Abstract |
完全植え込み型の人工肺を開発し、末期肺高血圧症例に用いることで、患者のQOLを改善し、かつ肺または心肺移植までのブリッジとして使用することを目的として実験的に検討した。 体重15-20kgの雑種成犬をペントバルビタール液による麻酔のもとに、胸骨正中切開を施行した。上行大動脈、肺動脈幹、両側主肺動脈を露出しテ-ピングした。上行大動脈には心拍出量を計測するための電磁流量計を装着した。ヘパリンを50単位/kg静注した後、肺動脈幹および左心耳にそれぞれ1/4インチカニューレを装着し固定した。肺動脈に固定したカニューレには流量計を装着し、人工肺を流れる血流量を測定した。大動脈圧は大腿動脈に挿入したカニューレにて計測し、肺動脈、右室圧については25Gの針を挿入してその都度測定した。 人工肺はクラレ社製中空糸膜型人工肺を用いたが、通常の6000型をベースに中空糸の密度を変更した3機種を作成し、人工肺前後の圧損を20.40.60mmHgとした。人工肺の大きさ、チューブの太さなどは同じものを用い、中空糸の密度による圧損差について比較検討した。両側主肺動脈にスネアにて狭窄を生じさせ、肺動脈圧は80mmHgまで上昇させた。この後人工肺への灌流を開始した。酸素流量は毎分5Lとし、人工肺灌流前後の動脈酸素分圧、酸素飽和度、心拍出量、人工肺灌流量を測定した。 圧損60mmHgの人工肺では、人工肺を灌流する血液量が十分でなく、肺動脈圧の変化もほとんどなく、急性肺高血圧による急性右心不全のため実験犬が死亡した。圧損20mmHgの人工肺では、人工肺を灌流する血液量は心拍出量の90%以上となり、肺動脈圧も十分低下したものの、十分な酸素化が得られず、酸素濃度は60Torr前後に留まった。また左心房圧が40mmHgまで上昇したケースがあり、左心房の拡大による不整脈、左心不全が生じる可能性が懸念された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 八田光弘: "埋め込み型補助人工心臓(Novacor)の現況" 循環制御. 16(2). 261-264 (1995)
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[Publications] Hachida,M.: "Single lung transplantation for primary hypertention" Asian J Surg. 19. 145-152 (1996)
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[Publications] 八田光弘: "骨格筋を用いた循環補助法の現況と臨床応用-心臓移植適応との接点" 今日の移植. 7(3). 33-36 (1994)
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[Publications] 八田光弘: "心筋代謝と心保存法" 医学のあゆみ. 173(5). 363-366 (1995)