1996 Fiscal Year Annual Research Report
TNF・αおよびDXRの一側肺灌流法を用いた転移性肺腫瘍治療に関する実験的研究
Project/Area Number |
07671490
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
斎藤 幸人 関西医科大学, 医学部, 講師 (50131438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅本 真三夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (60148509)
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Keywords | 転移性肺腫瘍 / 一側肺灌流(isolated lung perfusion) / pulmonary artery perfusion with blood flow ocelusion / cisplatin(CDDP) / ラット結腸癌肺転移 |
Research Abstract |
TNF-α、DXRを用いた一側肺灌流法(isolated lung penfusion、ILP)は実験開始時既に報告されていたため、使用薬剤を変更し下記の実験を行った。また実験に用いる細胞株の選択についても、教室における転移性肺腫瘍例の実態を反映させ結腸癌肺転移モデル(ACL-15)としたが、実験方法は計画書申請通りに行った。 対象および方法:実験には200〜250gの雄性F344ラットを用いた。投与薬剤にはcisplatin(CDDP)を使用しILPおよびその応用手技であるpulmonary artery perfusion with bloodflow ocdusion(PA)を施行、各処置後の肺および血清薬剤濃度を測定し静注群との比較検討を行った。ILPでは左開胸後肺動静脈を露出、遮断後肺動脈より0.5mg分で10分間薬液の灌流、引き続き生理食塩水による5分間の灌流を行った後に肺動静脈を再建し遮断を解除した。PAでは肺動脈のみを遮断し0.2ml分で1分間薬液を注入、20分間の血流停止後遮断を解除した。いずれの群も遮断解除5分後に左肺および血液を採取した。 結果:肺および血清CDDP濃度は0.2mg/mlILP群で4.3±1.3μg/gおよび0.2±0.1μg/ml、0.5mg/kgPA群で9.5±4.4μg/gおよび0.3±0.08μg/m.、2mg/kgIV群で1.4±0.2μg/gおよび1.0±0.6μg/mlであった。 結語:ILPは静注と比較し局所のみに高濃度の薬剤を投与し得る優れた投与法であることが確認された。またPAも手技の繁雑なILPと同等に有効であると考えられた。今後は現在ACL-15細胞を用いて作製している結腸癌肺転移モデルにより抗腫瘍効果を確認し、臨床例に応用して行く予定である。
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