1995 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍に対するCDDP至適投与量、投与法の検討
Project/Area Number |
07671518
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
堀 智勝 鳥取大学, 医学部, 教授 (60010443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙谷 秀規 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (70194967)
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Keywords | ^<195m>Pt-CDDP / 悪性脳腫瘍 / 化学療法 / 内頚動脈投与 |
Research Abstract |
ラット実験脳腫瘍に対して^<195m>Pt-CDDPの選択的内頚動脈投与を行った。0.25mg、0.5mgをそれぞれone shotで投与し、投与20分後、60分後の腫瘍組織内、血液中、正常脳内のPt量を測定した。さらに腫瘍細胞はSchneider法により分画し、各分画中のPt量を測定した。次に対象として^<195m>Pt-CDDPの静脈投与を行った。0.25mg、0.5mgをone shotで投与し、同様に投与60分後のPt量を測定した。 内頚動脈投与20分後では(1)腫瘍内Pt量の血液中Pt量に対する比は1mgでは2.59、0.5mgでは1.0、0.25mgでは0.8、(2)正常脳内Pt量の血液中Pt量に対する比は1mg:0.25、0.5mg:0.13、0.25mg:0.12であった、(3)腫瘍細胞のDNA分画中のPt量はそれぞれ3.65%、3.04%、3.0%であったが0.25mgは特に例数が少なくさらに追加が必要である。内頚動脈投与60分後では(1)1mg:2.79、0.5mg:1.69、0.25mgはまだ施行していない。(2)は1mg:0.24、0.5mg:0.19、(3)は1mg:3.15%、0.5mg:3.04%であった。次に静脈投与では(1)1mg:0.8、0.5mg:0.8、0.25mg:0.56、(2)1mg:0.08、0.5mg:0.07、0.25mg:0.06、(3)1mg:3.69%、0.5mg:4.27%、0.25mg:3.88%であった。この結果より^<195m>Pt-CDDPは動注、静注いずれも正常脳よりも腫瘍組織に移行しやすく、それは量依存性の傾向にあることが分かった。また動脈投与のほうが静脈投与の数倍のPtが腫瘍組織に移行していることも分かった。腫瘍組織のDNA分画中のPt量は各投与群で著明な差はなく、そのことから薬剤到達の点においては腫瘍内Pt量が最も高くなる動脈投与が最も有効である可能性が示唆された。今後さらに例数を重ねて上記所見を検討するとともにさらに計画にそって研究を進めていく予定である。
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