1996 Fiscal Year Annual Research Report
星細胞特異的エンハンサーをもつアデノウィルスベクターによる神経膠芽腫の遺伝子治療
Project/Area Number |
07671529
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Research Institution | SAGA MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
福山 幸三 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (60238516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 直司 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (90281203)
峯田 寿治 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20264187)
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Keywords | glioma / 遺伝子治療 / アデノウィルスベクター / GFAP / p53 / p21 |
Research Abstract |
in vivo gene transferについて、アデノウィルスとレトロウィルスを用いて、その有用性と副作用について比較検討した。lacZ遺伝子を発現する組み換え型アデノウィルスとレトロウィルスをWistar rat脳内、に接種し、lacZ遺伝子発現の程度、宿主の免疫反応について経時的に比較した。アデノウィルスは塩化セシウム濃度勾配を用いた精製によりウィルスカ価を約10^6pfu/mlまで濃縮することができ、lacZ遺伝子発現はきわめて強力であり接種後6週目でもその発現は持続していた。レトロウィルス産生細胞培養上清は約10^<10>pfu/mlで、in vivoでのlacZ発現はきわめて限局的であった。明らかな宿主の免疫細胞の浸潤やアレルギー反応は認められなかったが、接種後6週目では接種部位に軽度のグリオーシスを認めた。極めて高い遺伝子導入効率が要求される悪性神経膠腫に対する遺伝子治療には、アデノウィルスをもちいた遺伝子導入法がより優れていると考えられた。 lacZ遺伝子、p53およびp21遺伝子を発現するアデノウィルスを、in vitroにおいて神経膠腫細胞に導入した。p53正常細胞では、p21の導入により、p53欠失細胞ではp53の導入により増殖抑制効果がみられた。またnude mouse皮下移植神経膠腫細胞(p53正常細胞)でも、p21の導入により、増殖抑制効果がみられた。GFAP(gllal fibrillary acldic protein)遺伝子の星細胞特異的な発現のためのエンハンサーを複数個タンデムにつなぎ、星細胞特異的な高効率発現プロモーターユニットを作成した。in vitroでのCAT assayにより、星細胞特異的な発現を確認した。このプロモーターユニットを組み込んだアデノウィルスペクターを作製した。この星細胞特異摘発減アデノウィルスベクターに、lacZ遺伝子、p53およびp16遺伝子を挿入し、in vivoでの星細胞特異的な遺伝子発現系を確立した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fukuyama K,et al: "Analysis of glial fibrillary acidic protein gene methylation in human malignant gliomas" Anticancer Research.16. 1251-7 (1996)
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[Publications] Matsuzawa K,Fukuyama K,rt al: "Expression of sbomehsin 1 in human astrocytowa cell lives" Jouemal of Neuro-Oucology.30. 181-188 (1996)
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[Publications] Toda K,Fukuyama K,rt al: "The cytocical activity of OK-432 octivated mononuclean cell against human alioma is sertly mediated through Fas" J.J.of Cancer Research. 87. 972-976 (1996)
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[Publications] Matsuzawa K,Fukuyama K,rt al: "Transfection of invasire human astrocytowa cel line with a timp 1 cDNA" J.of Neuropatbology & Eperimental neurology. 55. 88-96 (1996)
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[Publications] 田渕和雄,福山幸三: "グリオーマの遺伝子異常" 脳と神経. 49(in press). (1997)
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[Publications] 田渕和雄,福山幸三: "神経膠腫の遺伝子治療概説" Neurosurgeons. 14. 148-158 (1995)