1995 Fiscal Year Annual Research Report
超急性期脳虚血のモデルのMRI,アポトーシス,神経栄養因子の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
07671532
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
堀 重昭 大分医科大学, 医学部・脳神経外科学, 教授 (00004987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 剛 大分医科大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (50206249)
山田 昭 大分医科大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (30274765)
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Keywords | アポトーシス / VEGF / 局所脳虚血 / 磁気共鳴画像 |
Research Abstract |
局所脳虚血モデルを用いて、アポトーシスおよび神経栄養因子(特にVEGF)の発現様式について検討を行った。 レーザー血流計を用いてリアルタイムに脳血流を計測しながら、脳虚血モデルを作成した。栓子を挿入すると脳血流は約10分の1までに低下し、再灌流後は、速やかに回復することが確認できた。このようにして作成したモデルを永久閉塞群、30分虚血群、60分虚血群に分けて、6時間から7日間の間にサクリファイスし、TUNEL法によるアポトーシスの染色および免疫組織染色によるVEGFの染色を行った。TUNEL陽性細胞は膨化したnecrosisと思われる細胞とapototic bodyを持つ細胞とに分けられたが、両者は混在して存在し、前者は虚血巣中心部に後者は虚血巣辺縁部に多い傾向があった。永久閉塞群では、6時間後よりcaudoputamenに出現し、経時的にcortexへと広がったが、cortexへと広がってくる陽性細胞の多くはapototic bodyを持つ傾向があった。30分虚血群ではTUNEL陽性細胞は、caudoputamenに限局し、ほとんどがnecrosisであった。60分虚血群では、永久閉塞群と同じ傾向が、やや時間が遅れて見られ、虚血後7日目になると、TUNEL陽性細胞は減少した。VEGFは、虚血巣辺縁部および脳梁に発現が見られた。 永久閉塞群の一部において、24時間後に拡散強調画像とT2強調画像を作成し、脳浮腫と進展とVEGFの発現との関連についても検討した。T2強調画像においては脳梁を介して対側まで病変が及んだが、同部位は拡散強調画像では描出されず極めて速い拡散を示していた。これは、細胞外腔への水の貯留を示しており、間質性脳浮腫と考えられたが、この部位へ血管透過性を亢進させるVEGFが発現しており、脳浮腫形成への関与が示唆された。
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