1996 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞増殖因子アンチセンスのヒトグリオーマ細胞増殖に対する効果
Project/Area Number |
07671538
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
杉山 聡 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (50154498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松谷 雅生 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90010454)
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Keywords | tumor growth / VEGF / antisense / ヒトglioma |
Research Abstract |
平成8年度は以下の実験を行った。1:RT-PCRによって得られたcDNAがヒトVEGFの塩基配列をcodeしていることをsequenceによって確認した。 2:塩基配列を確認したヒトVEGF165 cDNAをEBV発現vector(pCEP4)に組み込んだ。 3:ヒトVEGF165 cDNAを組み込んだ発現vector(pCEP4 antisense VEGF)と、何も組み込んでいないvector(pCEP4 alone)とをリン酸カルシウム沈殿法にてヒトglioma細胞株;T98G,U87MG,U138MG,PNET,(当科にて手術、培養したprimitive neuroectodermal tumor)にtransfectした。 4:Hygromycin Bにて細胞を選択し、pCEP4 antisense VEGF細胞、pCEP4 alone細胞、何も導入していない正常細胞の3者間でin vitroでの成長を比較した。 結果:1:RT-PCRの産物を電気泳動するとバンドは3本見られた。この3本のバンドをそれぞれsequenceすると、2本は不完全な塩基配列で、1本のみVEGF165を完全にcodeしていた。従ってVEGF165 cDNAを発現vectorに組み込んだ。 2:pCEP4 antisense VEGF細胞、pCEP4 alone細胞、正常細胞の形態を観察すると3者に違いは認めなかった。 3:この3者のin vitroでの成長を成長曲線にて比較すると、pCEP4 antisense VEGF細胞で成長が遅れる傾向があった。 結論:antisense VEGFは腫瘍の成長を抑制する可能性を示唆した。
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