1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
新井 一 順天堂大学, 医学部, 助教授 (70167229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮嶋 雅一 順天堂大学, 医学部, 助手 (60200177)
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Keywords | Helix-loop-helix transcription factors / chick embryo / 神経管 / 神経形成 / 分子生物学 |
Research Abstract |
Helix-loop-helix(HLH)transcription factorsは神経細胞等の発達段階における細胞の形態形成を制御する遺伝子蛋白と考えられている。chick embryoの神経管から2種のclass AbHLH transcription factor cDNAs、GE1、GE12(GEs)が同定され、in situ hybridizationにて神経管の分裂あるいは分化し始めたinterneuronsにその発現を認めた。このGEsの発現は神経形成の初期を制御している可能性が示唆されたため、GEsに対するantisense oligonucleotides(antisense)を神経管から単離した培養細胞に投与し、その発現の抑制を試みることによって、その神経上皮細胞が如何に修飾されうるかを二重染色を用いて検討した。その結果、GE1、GE12の発現を同時に抑制するとBrdU陽性神経細胞数の割合が著明に減少した。また、^3H-thymidine incorporation assayによってDNA合成能を、flow cytometryによってcell cycleの障害の有無を検索した結果、DNA合成そしてcell cycleに対してはその影響が全く認められなかったことより、antisenseの投与によりpost-mitoticなinterneuronがその分化を抑制され、細胞死にいたるものと考えられた。以上の成果よりGEsは神経管の神経細胞において、その分化の初期を制御している重要な因子の一つであることが判明した。この成果を基に、今年度はGEsに対するantisenseをmicroinjectionを用いて細胞内に注入し、神経管発生異常が生じるか否かを検討した。Yamadaらの方法に準じて孵卵1.5-2日のchick embryo(stage8-11)から神経板を採取し、explant cultureを確立。myelencephalonからthoracic neural tubeに相当する部分において、ventricular zoneの細胞群を左右内外側に分けて、各々antisenseを約50前後の細胞に注入した。また、それとともにToyamaらの方法に基づいてin situ hybridizationを施行し、神経板におけるGE1、GE12の発現の程度と分布を検索した。その研究過程の評価として、将来的にどの神経上皮細胞がmotoneuronあるいはinterneuronへ分化していくのかを各々の抗体(Yamada et al、1991)を用いて正確に同定し、より選択的な細胞群へのantisenseの注入が必要と思われた。
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