1995 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍の浸潤性増殖機構の解明とその克服に関する研究
Project/Area Number |
07671541
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
長島 正 帝京大学, 医学部, 教授 (70217991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 聡 帝京大学, 医学部, 助手 (40179750)
平川 誠 帝京大学, 医学部, 助手 (30218771)
田中 秀樹 帝京大学, 医学部, 助手 (50276713)
松野 彰 帝京大学, 医学部, 講師 (00242058)
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Keywords | グリオーマ / 細胞接着能 / 浸潤 / N-カドヘリン / in situ hybridization |
Research Abstract |
グリオーマの浸潤性格を解明するために、我々はこれまで細胞接着能の変化に注目してグニオ-マにおける細胞接着分子N-カドヘリンの発現を検討してたが、今回の研究では組織上でN-カドヘリンmRNAの発現を検索してグリオーマの浸潤能との関連を検討したので、その方法および結果・結論について報告する。【方法】9L細胞をFisherラットの脳内に定位的に接種して種々の大きさの脳腫瘍モデルを作成し、それぞれから6μの凍結切片を得た。これらの切片に対してN-カドヘリンcDNAプローブカクテルを用いた非放射性in situ hybridization法を行い、組織上におけるN-カドヘリンmRNA発現の程度および分布を検討した。【結果・結論】N-カドヘリンmRNAは腫瘍組織内に広く分布していたが、腫瘍深部において特に強い発現のみられる傾向があるなど領域領域間でも、また細胞間でも発現の程度に差が認められた。また周囲正常脳への浸潤している細胞群にはN-カドヘリンmRNAの発現が弱いかまたはほとんど発現の認められないものが多く存在した。したがって、グリオーマの浸潤性増殖にはN-カドヘリンの発現異常に基づく細胞接着能の変化が関与していることが強く示唆された。
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[Publications] 長島 正: "脳腫瘍の癌遺伝子・癌抑制遺伝子" Annual Review神経. 139-150 (1995)
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[Publications] 田中 聡他: "ヒトグリオーマ移植ヌードマウスにおけるIL-1αによる内国性TNF-2の誘導" 神経実症研究. 8. 145-150 (1995)
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[Publications] 西原哲浩他: "担悪性グリオーママウスの細胞障害活性に及ぼすシスプラチンの影響" 癌と化学療法. 22. 1197-1202 (1995)