1996 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性物質封入DDS並びに遺伝子導入によるMn-SOD誘導、神経細胞死の救済(臨床応用へ向けて
Project/Area Number |
07671551
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Research Institution | KINKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
赤井 文治 近畿大学, 医学部, 講師 (40122006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 直之 大阪大学, 医学部, 教授 (90002188)
嘉悦 勲 近畿大学, 理工学部, 教授 (00214247)
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Keywords | 虚血 / 神経細胞死 / SOD / DDS / アポトーシス / 梗塞モデル |
Research Abstract |
臨床例に近い病態モデルelectromagnetic thrombosisによる局所脳、ないし脊髄梗塞モデルを作ることに成功し検討を行った。5μmの鉄粒子をembolusとする系では局所に100%の梗塞巣が作成でき、出血性梗塞が60%で、臨床例に酷似した再開通モデルといえる。遅発性神経壊死の期待される部位にて、組織上でのDNA single strand化の検証を新たに作成した抗体にておこなった。さらにp53の発現は神経細胞では選択的遅発性神経細胞死の起こる前に、星細胞ではGFAPをマーカーとした場合、星細胞が減少する前に発現が認められる。この時期にはすでに神経細胞での発現は認められない。脊髄モデルで磁力360ガウスの設定では、ラットの脊髄背側に強い静脈性の梗塞を、脊髄径の小さい砂ネズミでは前脊椎動脈系の梗塞が出来た。後者では症状と梗塞範囲様式が一致し、大きく五つのタイプに分類できた。一方IL1あるいはTSH封入polyethylen glycolを担体とするDDSでは1mm径ペレットとしたが、この周囲に圧迫による神経細胞死が見られ、さらにこれらの細胞ではエンドラベリングを指標としたアポトーシスが認められた。従ってコントロールとはなり得ないため、微量注入装置に切り替えて検討中である。ラヂカル消去系とアポトーシスとの関係をさらに検討するため、DDC持続投与を行った系ではエンドラベリングでは陽性であるが、形態的にはアポトーシスと異なった。培養系ではPC12細胞での検討を加えているが、DDC投与でのラジカルの増量は認められず、他の細胞株とは異なりアポトーシスではなく懐死が起こっている。運動系神経細胞において検討を加える必要があり、SOD低下、ラジカル増加に伴うアポトーシスが観察できれば、SODの誘導による効果が期待される。今後適当な細胞株の樹立が必要となった。
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Research Products
(1 results)