1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671573
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大川 淳 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30251507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四宮 謙一 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (20111594)
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (70108223)
小森 博達 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60262169)
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Keywords | 変性腰椎 / 腰椎不安定性 / バイオメカニクス |
Research Abstract |
変性腰椎における動的安定性の解析は、被験者の前屈動作をX線透視しビデオテープに記録後、コンピュータ画像に変換し解析した。対象は、腰痛既往のない20歳代前半の男性ボランティア15名(コントロール群)、腰痛を伴わない不安定腰椎疾患患者17名、不安定性のない慢性腰痛疾患者12名とした。その結果、コントロール群の腰椎前屈時には、腰椎各分節は順次始動する場合とほぼ一斉に始動する場合が見いだされ、正常パターンと考えられた。一方、不安定腰椎疾患群では不安定な分節から動きが開始されていた。これは、腰椎始動時に腹筋や背部筋より生じたモーメントに対し、相対的に剛性が低下している不安定な分節に応力が集中するためと推定された。この異常な動きにより周辺神経組織が刺激を受ければ、腰痛が生じるが、腰痛群では逆に特定分節の動きが著しく減少していた。こうした腰椎変性分節の剛性を人工髄核により高めれば、こうした異常の動きのパターンを改善しうると思われた。 椎間板内圧の実験的計測は、高齢者の新鮮屍体標本6体を用いて行った.圧トランスデューサーは先端の一面に受圧部があり,椎間板内における受圧部の向きにより圧計測に差が生じることが予想されたが,荷重方向と垂直の場合と平行の場合で差がないことが判明した.生体で行う場合,この受圧部の向きを荷重方向と垂直に維持することは困難と思われ,密閉された空間でない(water tightでない)変性椎間板でこの知見が得られたことは,今後の生体計測に対して保障を与えるものである.また,椎間板内の部位による圧分布についても比較的均一であった. 今年度は、生体において椎間板内圧と実際の動きを同時計測し、従来静的状態での情報しか報告されていなかった椎間板内圧の動的な変化を明らかにし、さらにその値に基づいて人工髄核候補物質の物性を決定、候補素材注入後の効果を新鮮屍体標本において検討する予定である。
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