1996 Fiscal Year Annual Research Report
移植靭帯のリモデリング-侵入細胞のアクテン細胞骨格と新生コラーゲンの連関-
Project/Area Number |
07671588
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伴 忠延 大阪大学, 医学部, 助手 (70028596)
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Keywords | 遺伝子導入 / リポフェクトアミン法 / EX VIVO / 移植腱 / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
自家腱や同種腱を用いた腱移植は広く施行されている.移植腱の再構築過程における移植後初期の力学的強度の低下とその成熟に長期の時間が必要である事は臨床的に大きな問題と考えられている.そこで,移植腱の再構築過程を改良し,短時間でより質の高い靭帯組織に誘導する手段の開発が必要である. 近年,種々の遺伝子治療が注目を集めているが,我々は腱損傷の治療を目的として,損傷部へのレポーター遺伝子やPDGF遺伝子をHVJ-liposome法で導入することに成功した.しかしながら,移植腱への適当な遺伝子導入法はいまだ報告されていない.今回我々は,リポフェクトアミン法を応用しレポーター遺伝子をex vivoに腱芽細胞に導入したのち,Cel-Tak^R用いて移植用腱の表面に接着させる事に成功した.さらにin vitroで腱表面に接着した腱芽細胞から遺伝子導入後1週間までレポーター遺伝子の発現(1〜5%/to tal cells)を確認した.このリポフェクトアミン法を応用した遺伝子発現率は他のウイルスヴェクターをもちいた生体腱や腱鞘細胞への導入効率と比較しても遜色がなく,さらに1週間だけの発現は移植後早期の移植靭帯の再構築過程を改良するには有利であると考えられた.さらに,somatic cellsへの半永久的な遺伝的情報を与える可能性がなく臨床応用上の安全性という面からも優れていると思われる.
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