1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671607
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
菊地 臣一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80045773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紺野 慎一 福島県立医科大学, 医学部, 学内講師 (70254018)
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Keywords | 馬尾 / 慢性圧迫 / 神経伝導速度 |
Research Abstract |
全身麻酔下に第6腰椎椎弓および仙骨椎弓を部分切除後、第7腰椎椎弓下に二重構造のプラスチックバルーンを挿入した。ATS-1000 compressed air systemにより任意の圧を加え、馬尾の急性、慢性、およびdelayed compressionモデルを作成した。実験系は急性圧迫モデル群18例、慢性圧迫モデル群10例、慢性Sham群10例の3群とした。急性圧迫モデル群は第7腰椎椎弓下のプラスチックバルーンに0、50、100、200mmHgの圧を加えた群である。慢性圧迫モデル群は二重構造のバルーンの一方に液状のこんにゃくを充填し10mmHgの圧を加えた後、一週間後に再手術を行い、もう一方のバルーンに50または100mmHgの急性圧迫すなわちdelayed compressionを加えた群である。慢性Sham群はバルーンに何らの圧も加えずにバルーンを留置し一週間後再手術を行い、もう一方のバルーンに50または100mmHgのdelayed compressionを加えた群である。以上の3群に対し、馬尾の機能的、組織学的検討を行った。機能的には馬尾の神経伝導速度で評価を行い、組織固定は、Karnovsky固定、染色はRichardson法により組織学的検討を行った。ATS-1000 compressed air systemの圧力とMillarの圧トランデューサーの計測値の誤差は5%以内であった。馬尾の神経伝導速度は、圧迫を加える直前の急性圧迫モデル群では62±11m/s、慢性圧迫モデル群では45±21m/s、慢性Sham群では、63±10m/sであり、慢性圧迫群では、他群に比し有意に低下していた。慢性圧迫モデル群でのDelayed compression開始120分後の神経伝導速度の変化(%NCV)を他群と対比すると、50mmHgのdelayed compression群では3群間で同様の神経伝導速度の低下が認められた。これに対し、100mmHgでは、慢性圧迫群は他群と比べ有意に減少率が少なかった。慢性Sham群および慢性圧迫モデル群の組織学的検討では、炎症所見は軽度で、馬尾の軸索には何らの変化も認められなかった。慢性圧迫モデル群の馬尾では圧迫による形態学的adaptationが認められた。本研究の結果より、我々のバルーンによるモデルは、馬尾の慢性圧迫とdelayed dompressionのモデルとして慢性圧迫モデルの条件を満たしていると考えられる。すなわちこんにゃくならびにバルーン自体には組織毒性はなく、10mmHgの慢性圧迫により馬尾のadaptationおよび軽度の機能低下は発生するが、組織学的には明らかな馬尾損傷はきたさない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Konno et al: "A Model for Acute,Chronic,and Delayed Graded Compression of the Dog Cauda Equina" SPINE. 20. 2758-2764 (1995)
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[Publications] K.Sato et al: "A model for acute,chronic,and delayed,graded compression." SPINE. 20. 2386-2391 (1995)
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[Publications] S.Kayama et al: "Chronic and delayed compression of the dog cauda equina" Trans. International Society for the Study of the Lumbar Spine. (1995)
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[Publications] K.Sato et al: "Acute compression of the dog cauda equina:Analyses of function and morphology" Trans. International Society for the Study of the Lumbar Spine. (1995)
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[Publications] S.Kayama et al: "Acute,chronic and delayed compression of the dog cauda equina" Trans.Orthopaedic Research Society. (1995)
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[Publications] S.Konno et al: "A model for chronic compression of the dog cauda equina" Trans.Orthopaedic Research Society. (1996)