1995 Fiscal Year Annual Research Report
関節破壊に及ぼす蛋白質分解酵素、特にGELATINASEの役割について
Project/Area Number |
07671627
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
斉藤 聖二 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50124946)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / gelatinase活性 / proteoglycanase活性 |
Research Abstract |
慢性関節リウマチ(以下RAと略す)の滑膜組織は、蛋白分解酵素を産生し関節破壊を引き起こす主要な因子であると考えられている。関節包を含む滑膜下組織にはgelatinase(MMP-2,MMP-9)の発現が亢進すると言われている。このような事実から、RA末期滑膜組織ではgelatinase活性が亢進すると考えられる。そこで我々は、RA滑膜組織を培養して、培養上清中のgelatinaseを中心に蛋白分解酵素活性を測定し、関節破壊の関与について等閑視されていたgelatinaaseの役割を明確にする目的で本研究を行った。 先ず、関節包と滑膜表層組織の蛋白質破壊活性をproteoglycanの分解を指標とするproteoglycanase活性を測定した。関節包では全活性中の45%に、滑膜表層組織では65%にproteoglycanase活性が認められた。滑膜表層組織の分解活性をgelatin zymographyにて検索すると、stormelysin活性が主に認められ、gelatinase活性は約38%に認められた。関節包の分解活性は、stormelysin活性やcollagenase活性は約42%で、残りはgelatinase活性であった。関節包中の培養上清をgelatin affinity chromatographyで処理すると、proteoglycanase分解活性は約49%の消失がみられた。gelatin affinity chromatography処理によりgelatinaseがgelatinに吸着され、素道り画分にはgelatinase活性がほぼ消失する事を利用したものである。以上の結果により、RA滑膜組織のgelatinase活性を測定して、RA炎症による関節破壊にはgelatinaseも重要な関与をしていると考えられる。
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