1996 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄麻痺の病態生理に関する研究-電気生理学的所見と細胞内元素の変化について-
Project/Area Number |
07671631
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Research Institution | HYOGO MEDICAL COLLAGE |
Principal Investigator |
圓尾 宗司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70068451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 誠治 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90248138)
谷口 睦 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (80188383)
松本 学 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30173917)
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Keywords | 脊髄損傷 / 電子プローブX線微小部分析法 / 共焦点レーザー走査顕微鏡 / 脊髄誘発電位 |
Research Abstract |
1.イヌを実験材料に加え、頚髄圧迫モデルを作製し脊髄誘発電位(SCEP)、運動誘発電位(MEP)測定下に脊髄を圧迫した。圧迫群・対照群の脊髄を各々摘出しその前側索部を選択的に切除後瞬間凍結しX線微小部分析法にて脊髄神経線維内の元素濃度を測定し比較検討した。 2.また、摘出切除した脊髄前側索部を、膜感受性色素を用い共焦点レーザー走査顕微鏡で脊髄神経線維の形態とその蛍光強度を測定比較検討を加えた。 3.1.の実験において脊髄誘発電位の振幅の低下に伴い、麻痺の程度は重篤化しそれと相関してカルシウムイオンの増加が認められた。これにより脊髄電位の低下と細胞膜の電気的興奮の低下との関連が示唆された。また、2.の実験においても、蛍光強度は直接外力がかかる部位より、麻痺の程度に従って低下しており誘発電位の振幅の低下とも一致していた。 4.これらの実験により、脊髄損傷モデルの作製から共焦点レーザー走査顕微鏡法、X線微小部分析法による脊髄神経細胞レベルの病態生理の評価は達成されたものと思われる。またイヌを用いたことにより、運動神経線維の選択的な評価という平成8年度の目標も達成されたものと思われた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 荒川晃: "急性脊髄損傷モデルにおける神経細胞内元素分析" 日整会誌. 70(8). S1636 (1996)
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[Publications] 橘俊哉: "脊髄損傷における神経ペプチド(Dynorphin)の遺伝子発現" 日整会誌. 70(8). S1571 (1996)
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[Publications] 夫徳秀: "前方圧迫後の易損性脊髄に対する後方圧迫時の脊髄モニタリングに関する実験的研究" 中部整災誌. 39(6). 1424-1433 (1997)