1996 Fiscal Year Annual Research Report
疼痛過敏ラットの脊髄の一酸化窒素合成酵素を含む神経細胞と疼痛伝達との関連の研究
Project/Area Number |
07671643
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山口 浩史 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60220274)
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Keywords | 一酸化窒素 / 末梢神経障害 / 脊髄 / 脊髄後角 / ラット |
Research Abstract |
雄性SDラット(10週齢)を用い、昨年度の神経病性疼痛(Ligation)ラット(疼痛過敏群)とは別に、末梢神経障害モデル-Avulsion(引き抜き群、n=18)とCrush(挫滅群、n=18)を作成した。各々、ペントバルビタール麻酔(35mg/kg,ip.)下に背臥位に固定し第5・6腰髄神経を露出、引き抜きと鉗子で15秒^*2回の圧迫を加えた。 手術後4日・1週間・3週間に各々、実験群・対照群と手術を施行していないラット(正常群、n=6)について左右後肢の疼痛過敏の有無をvon Freyフィラメントを用いて調べた。その後、ペントバルビタール麻酔下に4%パラフォルムアルデヒドを用いて潅流・固定して得られた各々のラットの脊髄からマイクロトームを用いて第1腰髄・第5腰髄・第6腰髄のレベルの厚さ40オmの脊髄組織切片標本を作成した。得られた切片をABC法(Vector社)とNADPH Diaphorase法を用いて各々NOSの免疫組織染色と酵素反応による組織染色を行った。 染色後、顕微鏡下に脊髄の各レベルごとに両側後角部(Laminae I,II,III)、中心管周囲(Lamina X)、両側側索部(Lamina VII)に分けて観察・写真撮影し、染色された陽性細胞(NOSを含む神経細胞)の数をカウントして、昨年度行った疼痛過敏群の結果を含めて各群間でレベルごと、また各群内で手術後期間ごとに各々正常群を対照としてANOVAを用いて比較検討した。 その結果、引き抜き群と挫滅群では手術後4日・1週間・3週間のすべてで左側後枝に正常群に比較して疼痛鈍麻を認めたが、対照群では認めなかった。また、引き抜き群と挫滅群では手術後1週間・3週間のすべてで第1腰髄・第5腰髄の左側後角部に対照群・正常群・疼痛過敏群の左側同部位と比べてNOS陽性の神経細胞の有意な低下を認めた(p<0.05)。総合的にまとめると、第1腰髄・第5腰髄の脊髄後角部NOS陽性神経細胞数は疼痛過敏・鈍麻と強い正の相関関係があると推測される。
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