1997 Fiscal Year Annual Research Report
^<19>F-NMRを用いたセボフルランの脳よりの排出に関する研究
Project/Area Number |
07671646
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
槇田 浩史 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (20199657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 一郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (90182518)
横山 訓典 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00014176)
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Keywords | セボフルラン / 薬物動態 / 磁気共鳴スペクトル |
Research Abstract |
吸人麻酔薬の各種臓器への取り込みのファーマコキネティックスを19F磁気共鳴スペクトロスコピーを用いて調べた。 方法:体重2.9kgから3.4kgの日本シロウサギ22羽を脳群、骨格筋群、肝臓群、動脈血群、静脈血群に分けた。ケタミン筋注後、ケタミンとキシラジンによって静脈麻酔を行い、気管切開後人工呼吸を開始した。セボフルランのスペクトル測定のために直径1cmの表面コイルを、脳群は開頭し脳表面に、肝臓群は開腹し肝表面に、骨格筋群は大腿の皮膚を切開して筋表面に置いた。動静脈血中濃度の測定は、2.5mlの注射シリンジに表面コイルを巻き付けて測定した。セボフルラン吸入開始から120分間セボフルランのスペクトルを観察し、同時に吸気および呼気ガス中のセボフルラン濃度も測定した。 結果:吸入開始後120分の各臓器のセボフルラン濃度を100%とし、それぞれの臓器への取り込み曲線をカーブフィットさせたところ、以下の式で表されるbiexponential curveにもっともよくフィットした。 Y=k1×(1・e_t/τ1)^+k2×(1・e_t/τ2) (Y=取り込み割合、t=吸入時間(分)、k1,k2=定数、τ1,τ2=時定数(分)) K1、k1、τ1、τ2の値は次のようであった。 呼気終末:K1=0.79、τ1=0.24、K2=0.19、τ2=0.47 動脈血 :K1=0.71、τ1=1.3、 K2=0.32、τ2=19.1 肝臓 :K1=0.80、τ1=4.2、 K2=0.28、τ2=88.3 脳 :K1=0.30、τ1=2.4、 K2=0.72、τ2=36.5 静脈血 :K1=0.20、τ1=3.4 、K2=0.82、τ2=27.1 骨格筋 :K1=0.07、τ1=0.6、 K2=1.01、τ2=43.6 結論: 各臓器への取り込みの速さは、動脈血、肝臓、脳、静脈血、骨格筋の順であった。
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