1996 Fiscal Year Annual Research Report
薬動力学モデルによる気化器設定濃度逆推定と使用吸入麻酔薬量自動計算
Project/Area Number |
07671651
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine, University Hospital |
Principal Investigator |
三条 芳光 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (40115481)
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Keywords | 吸入麻酔薬ファーマコキネティクス / シミュレーション / 麻酔器 / 麻酔ガス吸着剤 / 麻酔ガスモニター |
Research Abstract |
吸気濃度(F_Ianとする)と呼気終末濃度(F_<ET>an)の情報から薬力学コンピュータシミュレーションモデルにより、設定吸入濃度(F_<Del>an)を逆推定するアルゴリズムについて研究した。 シミュレーション以外の他の手法も含めて実用精度を検定するため臨床研究を行った。 コントロールとして、新鮮ガス流入路に麻酔ガス濃度モニター、ガス流量測定センサーを置き直接測定を行った。 このコントロール値と、(1)計測吸気終末濃度=気化器設定濃度とする方法、(2)F_Ian×(F_Ian/F_<ET>an)×係数(係数は実験式により求める簡便法)、(3)麻酔医の記録した麻酔チャート上の気化器設定濃度についてスクリーニングテストを行った。F_IanのF_<ET>anはバイパス型ミキシングチャンバー(Bymixer)および質量分析装置などを使いモニタリングした。 この結果、低流量麻酔では(1)はコントロールのF_<Del>anよりも大幅に低く臨床使用は不可能と判断し、(2)は麻酔回路容積の存在のため実際のF_<Del>anよりも変化が緩やかすぎること、(3)は実際のF_<Del>anは気化器濃度の変更時にオーバーシュートする傾向があるが、実際の気化器出力とは異なるが設定値の15%未満にとどまることがわかった。ことが明らかになった。 以上のスクリーニングテストにより、測定で得られるF_Ianを入力値と麻酔回路シミュレーションモデルに与え、逆推定測定でF_<Del>anを求めなければならないことが明らかになった。ところが、実用レベルの麻酔回路モデルは現存しないことが実験の結果判明し、現在、実用的な麻酔回路シミュレーションモデルの開発に研究の焦点を振り向けた。 現在、麻酔回路容積の他に、ゴムなどの回路部材・CO2吸着剤による麻酔薬吸着要素をモデル化することが必須だとわかった。
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