1995 Fiscal Year Annual Research Report
白血球接着分子の術中術後変動に関する移植免疫学的・分子生物学的検討
Project/Area Number |
07671654
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三毛 紀夫 名古屋大学, 医学部, 助手 (20192354)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 祥裕 名古屋大学, 医学部, 助手 (70238640)
木村 智政 名古屋大学, 医学部, 講師 (50161568)
|
Keywords | 接着分子 / 開心術 / CD11a / CD18 |
Research Abstract |
移植手術後の拒絶反応は移植手術の成績に大きくかかわる。その機序は、白血球の表面に発現する接着分子(LFA-1)と血管内皮細胞に発現するICAM-1が結合して白血球が血管内皮に接着し、その次に白血球が血管を通過して組織で炎症反応をおこすことによりおこる。LFA-1はCD11aとCD18によって構成される二量体で主に好中球に発現する。理論的にはその発現量が増加すれば好中球は血管内皮に接着しやすくなり、逆に減少すれば接着しにくくなる。つまりLFA-1の発現量の変化が移植手術後の拒絶反応にかかわることになる。 本研究では開心術の前後にてLFA-1の発現量を調べ、接着分子の発現のかかわりと拒絶反応のかかわりを検討している。名古屋大学病院にて行なわれる開心術患者より術前・術中・術後に採血し、FITC標識抗CD11aモノクローナル抗体とPE標識抗CD18モノクローナル抗体で二重染色し、コールター社製の溶血キットにより染色された白血球のみ採取し、コールーター社製のフローサイトメトリーにて好中球分画のCD11aとCD18の発現を観察中である。症例数がまだ少ないが両者の発現は手術中より減少し、術後しばらく減少したままである。これは拒絶反応の減少につながることを意味するかもしれない。今後、(1)開心術での症例数をふやすこと、(2)肝臓手術での観察を行うこと、(3)計画書で予定していたmRNAの発現量をしらべることの3つを予定している。
|