1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07671673
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Research Institution | Miyazaki Medical College |
Principal Investigator |
香月 博 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (80194786)
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Keywords | 硬膜外麻酔 / 速成耐性 / 髄液pH |
Research Abstract |
現在のところ塩酸プロカイン溶液によるラット硬膜外麻酔時の速成耐性を再現するにいたっていない。また、硬膜外カテーテルを腰椎部に留置してpH6の塩酸プイロカインの注入をおこなうと、わずかに大槽内の髄液pHが変化するが((〕.+-.〔)±0.02の変化)、一定の傾向がみられない。この原因は局所麻酔薬溶液の漏れが多いためかカテーテル挿入時に硬膜を傷つけたためとと考えている。何も投与しないときの髄液のpHに関しては、自発呼吸下でpH7.2-7.3というデータが得られた。プロカインは細胞膜と同様に硬膜を通過して髄液pHを上昇させると考えられ。実際にわれわれの開発した高濃度プロカイン含有pHセンサを用いた実験で、1mMのプロカインによりザリガニ巨大軸索細胞内pHを0.18上昇させ,2mM,4mMと濃度を増やすとdose dependentに細胞内pHが上昇した。細胞内pH緩衝能は約6-10mmol/Lであった。通常麻酔に使用する局麻薬濃度は40mM前後なのでかなりの髄液pH変化が生じると思われる。今後は硬膜外カテーテルからの漏れを防ぐ処置をはかり、髄液pH変化が実際に起こるかどうかをふくめ、ラット硬膜外麻酔時の速成耐性の評価法を確立して、髄液pH変化と速成耐性の関係の実験に移行する予定である。また、プロカイン感受性センサー電極をもちいて、硬膜外に投与したプロカインがどのように硬膜を浸透して髄液中に出現するか調べる予定である。
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