1997 Fiscal Year Annual Research Report
硬膜外鎮痛法における刺激伝導系の変化とその機序に関する研究
Project/Area Number |
07671679
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Research Institution | OSKA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西川 精宣 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (20145791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
行岡 秀和 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (80117986)
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Keywords | 硬膜外オピオイド / α_2・アゴニスト / 心臓交感神経活動 / 心刺激伝導系 |
Research Abstract |
硬膜外の麻薬、局所麻酔薬、ならびにα_2アゴニストの投与は術後鎮痛に寄与しているが、低血圧、徐脈をきたすこともある。本研究は、オピオイドならびにα_2アゴニストの硬膜外投与による心臓交感神経活動と刺激伝導系の変化を調べ、その作用部位について検討することを目的とした。 実験1:ネコをα-クロラロースで麻酔し、右頸静脈と右大腿静脈より4極カテーテル電極を挿入し、心房-HIs束伝導時間、房室結節機能的不応期、心房有効不応期等の諸量を、心房ペーシング下に心房早期刺激法で測定した。血圧、心拍数、心臓交感神経活動と腎交感神経活動を同時測定した。胸部または腰部硬膜外より投与する薬剤により、生食群(0.2ml/kg)、モルヒネ群(200μg/kg)、フェンタニル群(10μg/kg)、メペリジン群(2mg/kg)の4群に分け、経時的変化とナロキソン静脈内投与(200μg/kg)による拮抗を観察した。また、モルヒネ群で減圧神経を切除した場合と、硬膜外投与と同量のモルヒネまたはフェンタニルを静脈内投与した場合と比較した。その結果、胸部硬膜外オピオイド投与による交感神経活動の抑制が血圧低下、心刺激伝導系の抑制に関与し、モルヒネはその水溶性のため広範な交感神経遮断と心伝導抑制を生じること、メペリジンは局所麻酔作用によりナロキソンで完全には拮抗できないことがわかったが。 実験II:同様の実験系を用いてα_2アゴニストのひとつであるクロニジンについて検討した。クロニジンの硬膜外投与は2μg/kg,4μg/kg,8μg/kgの3つの投与量について検討し、ヨヒンビン200μg静注もしくは20μg脳室内投与での拮抗を観察した。房室伝導系の測定はWenkebach周期の測定で行い、洞房伝導時間と補正洞結節回復時間も測定した。クロニジンにおいては心臓交感神経活動と心刺激伝導系が用量依存性に抑制されたが、8μg/kg以上では著名な伝導抑制を認め、迷走神経興奮の関与が示唆された。
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[Publications] Takashi Mori,Kiyonobu Nishikawa,Takekazu Terai,Hidekazu Yukioka,Akira Asada: "The effects of opidural morphzne on cardiac and nenal sympathetic nerve activity in α-chloralose-anesthetized cats" Aneathesiology. (印刷中).