1995 Fiscal Year Annual Research Report
フォスフォディエステラーゼ(PDE)阻害薬が赤血球に及ぼす影響
Project/Area Number |
07671680
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
下川 充 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (90201558)
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Keywords | アムリノン / サイクリックAMP / P50 / 酸素親和性 |
Research Abstract |
現在、実験は進行中で検体数も(n=4)と少なく、統計的評価のできる段階ではまだないことを前提に現時点でのデータ評価する。 まず3時間後のP50はコントロール値が26.2mmHgであるのに対し、100倍濃度では26.6mmHg、10倍濃度では26.4mmHg、1倍濃度では27.3mmHgであった。当初の段階では、薬物濃度に応じて用量依存性にP50の値は大きく、酸素解離曲線は右方移動(もしくは左方移動の減少)が予測されたが、P50に関しては当初の予測とは異なった方向のデータがでてきていると言わざるを得ない。しかしながらe-pHは7.221,7.313,7.342,i-pHは7.004,7.077,7.082,PCO2は34.57,30.93,29.73,BEは-12.77,-10.63,-8.57、血糖は83.3,94.92と、用量依存性の代謝亢進を示唆するデータがでており解糖系の代謝亢進はあると考えられた。 以前にジブチリルサイクリックAMP(以下DBcAMP)で同様の実験を行ったときには、解糖系の増加させる薬物ではあるが、DBcAMPが細胞外のサイクリックAMPを細胞内に取り入れるのに対し、アムリノンでは細胞内にあるサイクリックAMPを分解させないことにより細胞内サイクリックAMP濃度を保つ、という機序の差異がこのような結果をもたらすものかもしれないが今後の検討を要する。 今後は検体数を増加させ、用量による変化とともに時間による変化も加味し、アムリノンの酸素親和性に及ぼす影響をさらに深く解析したい。
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