1996 Fiscal Year Annual Research Report
オピオイド活性を有する新しい内因性物質の炎症機構に関する研究
Project/Area Number |
07671687
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Research Institution | JUNTENDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
釘宮 豊城 順天堂大学, 医学部, 教授 (90010537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽里 忠彦 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (60109949)
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Keywords | Spinorphin / Aminopeptidase N / Leuhistin / カラゲニン / 炎症制御機構 |
Research Abstract |
生体防御機構の一つである炎症は疼痛・発赤等を伴うものとされ、オピオイドペプタイド・Enkephalinが炎症に密接な関係があるといわれている。即ち、脳内より見出されたEnkephalinは、生体内に広く分布し、末梢で起こる炎症の好中球機能に深く関与していることが分かってきた。例えば、Enkephalinは好中球機能の遊走性を活性化することが分かってきた。本研究は、我々が脊髄より見出したEnkephalin調節因子・Spinorphinを駆使して、好中球を介した炎症制御機構にどのように関与しているかを解明することを目的とする。好中球表層に存在しているプロテアーゼに対して、本物質Spinorphinは、特異的Aminopeptidase N阻害物質・Leuhistinを加えてHPLC等で解析すると非常に安定であることが分かった。更に、好中球表層のAminopeptidase Nが帯状庖疹等の疾病時に、顕著に上昇する現象を掴んだ。以上、Aminopeptidase NがSpinorphinの代謝酵素であり、炎症制御機構に重要な鍵を握っていることが示唆された。一方、Spinorphinは好中球機能の活性酵素生成・脱顆粒・遊走性活性に対してそれぞれ抑制効果を示した。更に、fMLP刺激により引き起こされる細胞内遊離カルシウム濃度に対して、Spinorphinは顕著な抑制効果を示した。この現象は、Spinorphinが好中球機能の発現を抑制し、シグナル伝達に関与しているカルシウム変化を抑制していることに起因していると考えられた。そこで、マウスを用いた急性炎症モデルを用いて、Spinorphinの抗炎症作用を検討した。カラゲニンを用いた胸膜炎モデルで、Spinorphinは高濃度であるが多形核白血球を有意に抑制する効果があった。更に、特異的Aminopeptidase N阻害物質Leuhistinを併用投与すると、単独と比較して50倍以上強い増強活性が観測された。今後、内因性疼痛制御物質・Spinorphinが、プロテアーゼを介して、どのような疾病に関与しているのかを詳細に研究する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tadahiro Kanazawa: "Spinorphin,a novel endognous regalator of enkephalin a model of actein otacte loamation" JPN.J.Pharm. 71. 247 (1996)
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[Publications] Tadahiko Hazato: "A study on anti-inflammatory effect of an endogenous pain-regulated substance Spinorphin" Folia Pharnacol.JPN. 108. 155-160 (1996)